米マクサー・テクノロジーズ社が5日に公表したロシア中部サラトフ州のエンゲリス空軍基地の衛星写真(AFP時事)
ウクライナ軍によるとみられるロシア本土の空軍基地への5日のドローン攻撃で、ロシアの独立系メディアは8日、標的となった核兵器搭載可能な爆撃機の拠点2カ所から少なくとも16機が姿を消したと報じた。
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国外で紹介された衛星写真を基に集計している。
戦略爆撃機は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)と並ぶ核抑止力の「3本柱」の一つ。プーチン政権は、内陸の奥深くにあるロシア中部の発進基地が狙われたことを深刻に受け止め、安全な場所に退避させた可能性がある。
攻撃の前後で比較すると、リャザニ州のディアギレボ空軍基地では、爆撃機9機と別の軍用機の少なくとも計10機が衛星写真から見えなくなった。ドローンによる攻撃後、TU22爆撃機が損傷したディアギレボ空軍基地の現場とされる写真がインターネット上に投稿されている。
一方、サラトフ州のエンゲリス空軍基地を捉えた衛星写真では、攻撃を受けた後にTU95爆撃機6機が減っていた。
ロシア国防省は5日、空軍基地2カ所について「ウクライナが爆撃機を使用不能にするためドローン攻撃を試みた」と発表。ソ連時代に開発されたTU141無人偵察機の改良型が使われたという見方が出ており、航続距離は1000キロとも言われている。