ロシア軍によるミサイル攻撃を受けたキーウ近郊の住宅(11月24日)=ロイター
ウクライナ軍のワレリー・ザルジニー総司令官は、英誌エコノミスト(電子版)が15日に掲載したインタビューで、厳冬期を迎える来年1月下旬にも、ロシア軍が首都キーウ攻略を視野に入れた大規模攻撃を始める可能性を指摘した。露軍は16日もエネルギー施設などに70発超のミサイルを発射した。停電を頻発させて士気をくじきつつ、大規模攻撃への準備を進める狙いとみられる。
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ザルジニー氏は大規模攻撃の時期に関し「1月下旬から3月までの間だろう」と述べた。オレクシー・レズニコフ国防相も英紙ガーディアンのインタビューで、ロシアが秋に招集した予備役30万人超のうち、約15万人を大規模攻撃に投入するため、訓練しているとの見方を示した。
露軍は2月24日の侵略開始1年を念頭に作戦を進めている可能性があるが、米政策研究機関「戦争研究所」は15日、キーウ攻略について、露軍の戦力の消耗などを挙げ、成功する可能性は「極めて低い」と指摘した。
一方、露軍の核戦力を扱う戦略ロケット軍の司令官は15日、露国防省の機関紙「赤い星」で、2023年は核兵器搭載可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射試験を8回実施し、22年の4回から倍増させる意向を明らかにした。