クリス・イングリス米国家サイバー長官
来日中のクリス・イングリス米国家サイバー長官が20日、東京都内の在日米大使館で産経新聞など日本メディアと会見し、中国IT大手の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」について、「大量の情報を集めている。中国当局はそうした情報を入手することが可能で、懸念している」と述べた。
イングリス氏は、「(集めた)データをどのように使うか、独裁政権自らがこれまでに示してきている」と警戒感を示した。
米上院は今月14日、連邦政府が所有する機器で「ティックトック」の使用を禁じる法案を全会一致で可決した。イングリス氏はこうした動きを念頭に、引き続き米国内で対応が強化されるとの見通しを示した。
また、中国、ロシア、北朝鮮が強力なサイバー攻撃能力を駆使し、西側諸国の市民生活を危機に陥れようとしていると指摘。各国が協力して対応する必要性を強調した。
イングリス氏は、国防総省傘下の情報機関、国家安全保障局(NSA)副局長などを歴任。2021年7月に、大統領直属ポストとして新設された国家サイバー長官に就任した。(住井亨介)