
ウクライナ国旗
ウクライナ軍参謀本部は22日、ロシアが2月にウクライナ侵攻を開始して以降、露軍の戦死者数が10万人を超えたと発表した。また、これまでに露軍の戦車約3千両と歩兵戦闘車約6千台、大砲約2千基を破壊したとした。一方、ロシアがウクライナ南部ヘルソン州の支配地域に置く占領当局は同日、同州の集落リュビモフカのシュテパ首長の乗った自動車が爆発し、同氏が死亡したと発表した。「ウクライナによるテロ」と主張している。
【写真】ウクライナ軍の攻撃で破壊されたとするロシア軍陣地
ウクライナ侵略を巡る戦死者数は双方の発表内容が大きくかけ離れており、実態は判然としない。
ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は今月、自軍の戦死者数が1万~1万3千人で、負傷者はそれ以上だと説明した。
一方、ショイグ露国防相は9月下旬時点で、露軍の戦死者数を5937人だと主張。ウクライナ軍の戦死者は約6万人、負傷者は約5万人としている。
米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は11月上旬時点で、双方でそれぞれ約10万人が死傷したとの見方を示している。
シュテパ氏が死亡したヘルソン州リュビモフカは、露占領下にある同州のドニエプル川東岸地域にあり、要衝ノバヤ・カホフカに近い。11月に州都ヘルソンを含むドニエプル川の西岸地域を奪還したウクライナ軍が将来的な東岸地域の奪還に向け、破壊工作を進めている可能性がある。
ヘルソン州では現在、ドニエプル川を挟み双方の砲撃の応酬が続いている。