エアバスが期待するタイフーンTranche5、次世代戦闘機の能力を先行実装

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スペイン空軍はEF-18A+の後継機にタイフーンを選択、EF-18MとEAV-8Bの後継機プログラムにも資金供給を開始する予定で、エアバスは「スペイン空軍がTranche4もしくはTranche5のタイフーンを購入するだろう」と期待している。

FCASやテンペストはLTEを通じてデータ駆動に必要な基盤技術を共同開発したいのかもしれない

スペイン空軍が運用中のレガシーホーネット85機(取得数は96機)は中古F-18AをアップグレードしたEF-18A+×20機、新規取得したEF-18M/C.15×53機とEF-18BM/CE.15×12機で構成されており、機体寿命が先に尽きるEF-18A+の後継機にF-35Aとタイフーンが提案されていたが、スペインは6月のベルリン航空ショーで「タイフーン20機(単座16機+複座4機)調達に関する契約を締結した」と発表した。

エアバスが期待するタイフーンTranche5、次世代戦闘機の能力を先行実装

出典:AIRBUS

さらにスペイン政府は2023年からEF-18MとEAV-8Bの後継機プログラムにも資金供給を開始することが確認されており、エアバスは「スペイン空軍がTranche4もしくはTranche5のタイフーンを購入するだろう」と期待しているとジェーンズが報じている。

スペイン空軍がEF-18A+の後継機として導入するのはCaptor-E/MK.1を搭載したTranche4で、EF-18Mの後継機としてTranche4を追加導入するか、Tranche5=エアバスと開発国(英国、ドイツ、イタリア、スペイン)が共同で開発を進めているタイフーンの新バージョン(Long-Term Evolution/LTE)を導入することを期待しているという意味だ。

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まだLTEバージョンは開発国がタイフーンの将来に要求する能力をすり合わせている段階(2023年~2025年に実施する技術の成熟度とリスク軽減を図るTMRRフェーズで何を重視するか協議中)なので「何を実現するか」は確定していないが、エアバスはLTEについて「将来の戦場を見据えたタイフーンの再設計作業でFCASやテンペストへの橋渡し的な存在になる。LTEは次世代戦闘機で採用される技術を5年~10年早く利用できるようになり最も重要なのはデータ駆動の実現だ」と表現している。

つまりLTEはデータ駆動に必要な「情報の収集手段=自機のセンサーだけでなく僚機や無人機のセンサーからリアルタイムで情報を受信する能力」と「情報の処理手段=収集した膨大な情報を瞬時に統合できる処理能力とパイロットが必要とする情報を自律的に抽出するAI技術との融合」を次世代戦闘機よりも先に実現して「FCASやテンペストの導入を円滑にする役割を果たすテストベッドにしたい」と言いたいのだろう。

エアバスが期待するタイフーンTranche5、次世代戦闘機の能力を先行実装

出典:Royal Air Force Captor-E MK.2

エアバスD&Sのドイツ部門とスペイン部門はFCASプログラムで「チーミング可能な無人戦闘機/無人機」や「ネットワーク技術」の開発を担当、英国もタイフーン向けアップグレードプログラム「Phased 4 Enhancement(P4E)」でCaptor-E/MK.2への換装、新型のミッション・マネージメントやコックピット・インターフェイスの採用を目指しており「P4Eを適用したタイフーンはテンペスト向けに開発されている技術の統合が可能になる」と述べているため、FCASやテンペストはLTEを通じてデータ駆動に必要な基盤技術を共同開発したいのかもしれない。

日本も英国と次期戦闘機の技術を共有するため中々興味深い動向だ。

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※アイキャッチ画像の出典:Copyright Eurofighter

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