[ソウル 27日 ロイター] – 韓国サムスン電子が27日発表した第1・四半期決算は、利益が前年同期比95%減少した。世界的に半導体需要が急速に低迷し、価格が急落した。一方、今年後半には半導体需要が徐々に改善するとの見通しを示した。
同社は「(下期の)緩やかな市況回復と世界の需要持ち直しという見通し」に基づき、半導体事業は大容量サーバーやモバイル製品に重点を置くと述べた。
第2・四半期については、主要なデータセンター企業のサーバー投資が控えめなことから、メモリーチップの需要回復は限定的との見方を示した。
営業利益は6400億ウォン(4億7860万ドル)で、四半期としては14年ぶりの低水準となった。今月上旬に発表した速報値は6000億ウォンだった。
売上高は18%減の63兆7000億ウォンだった。
半導体部門は4兆5800億ウォンの赤字。前年同期は8兆4500億ウォンの黒字だった。
同社は今月上旬、半導体減産を発表した。
これを受けて半導体価格がやや持ち直す可能性はあるが、アナリストは第2・四半期利益について、半導体搭載機器の需要が根本的に回復しない限り、第1・四半期並みにとどまる可能性があると述べた。
BNK投資証券のアナリスト、リー・ミンヒ氏は「サムスンは今四半期の減産に加えて下期の生産も柔軟にするとしており、在庫管理のため追加減産を行う可能性があることを示している」と説明した。
サムスンは、半導体部門の記録的な赤字にもかかわらず、第1・四半期としては最も高い水準となる10兆7000億ウォンの設備投資を行った。そのうち9兆8000億ウォンは半導体向けだった。
工場でのスペースを確保するために今年のメモリーチップ向け設備投資を前年と同程度にすると明らかにした。
サムスンは、工場スペースを確保するため、今年のメモリーチップ投資を2022年と同程度に抑える予定だと述べた。
モバイル事業は好調で、3兆9400億ウォンの黒字となり、黒字額は前年同期の3兆8200億ウォンを上回った。
カウンターポイントのシニアアナリスト、ジェネ・パーク氏は、サムスンはプレミアムスマートフォンの底堅い需要に応えるため、出荷台数よりも利益に重点を置いている、と指摘した。
サムスンは、世界経済の回復に伴いスマートフォンの出荷台数と収益が下期に増加するとの見通しを示した。