「らんまん」はNHK朝ドラ“東京編”視聴者離れのジンクス破れる?「ちむどんどん」などが撃沈


「らんまん」はNHK朝ドラ“東京編”視聴者離れのジンクス破れる?「ちむどんどん」などが撃沈

神木隆之介(C)日刊ゲンダイ

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 視聴率を押し上げている第一の要因は、神木隆之介(29)演じる主人公の槙野万太郎と、佐久間由衣(28)演じる姉の槙野綾、そして志尊淳(28)演じる万太郎のお目付役である竹雄の3人の物語が実に見応えのあるところだろう。

「舞台は高知県。万太郎と綾が生まれ育った造り酒屋を舞台に3人の立場や夢や複雑な思いなどが丁寧に描かれていて、その王道の作りに視聴者も感情移入しやすかったと思います。5月8日放送回からは舞台が東京に移りましたが、これまでの朝ドラを振り返ると、“東京編”から視聴者離れが始まり、一気に視聴率が崩れるというパターンを繰り返しています。『らんまん』もそうならなければよいのですが……」(芸能ライター・弘世一紀氏)

 例えば、2019年放送の『なつぞら』では、壮大な北海道を舞台に物語は始まったが、主人公が東京に出てきてからは夜の飲み屋街でのシーンが増え、アニメーターを目指す主人公の成長物語の話がやや弱まり、視聴率も微減した。

 21年放送の『おかえりモネ』では、主人公が宮城県・気仙沼沖の島で育った女性が気象予報士を目指して上京。しかし、ネットには「東京編って必要あった?」というコメントで溢れるほど一気にトーンダウン。さらに昨年の『ちむどんどん』である。

■既視感満載の東京編のセット

「”ちむどんどん反省会”という言葉が生まれるほど批判を浴びたドラマでしたが、沖縄編は決して評判は悪くはありませんでした。しかし、東京編になると、見慣れた東京の街のセット。狭い下宿、居酒屋のシーンなど、これまでの朝ドラで何度も見てきた既視感満載の映像に加え、ストーリーもかなり雑に。東京編で登場するキャストは豪華なのですが、そのどれもが無駄遣いと言っても過言ではないくらい印象も残らない。『らんまん』もこのパターンにハマらないか心配です」(前出・弘世一紀氏)

 東京編では、後に万太郎の妻となる西村寿恵子役の浜辺美波(22)を筆頭に、宮澤エマ(34)や成海璃子(30)といった演技派の女優が揃い、要潤(42)や田中哲司(57)、田辺誠一(54)など朝ドラや大河ドラマの実力派の常連が顔を連ねる。まずは、貧乏長屋を舞台に物語が始まるが、これもある意味、東京編の定型と言える。

「かすかな希望は、万太郎が下戸でお酒を嗜まないことでしょうか。最近の朝ドラの東京編は夜の酒場シーンがやたら多かったですからね。問題は、寿恵子とのロマンスをどう描き、世間の人があまり興味を持ちそうにない植物学と万太郎の関わりをどのように観せてくれるのか。言葉はきついですが、これまでの朝ドラの東京編は、テンプレがあるかのようなお決まりのパターンが続いていました。なんとかそのジンクスを打ち破ってほしいですね」(ドラマ制作関係者)

 言うまでもなく、NHKの制作だけであってどの朝ドラも、役者陣の実力は申し分ない。東京編に楽しみにしている視聴者を裏切る内容にならないことだけを期待したい。



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