ウクライナのゼレンスキー大統領=ロイター
ロシア国防省は12日、ウクライナに侵略している露軍が占領している東部ドネツク州の要衝バフムト近郊ソレダルなど95キロ・メートル以上に及ぶ最前線で、ウクライナ軍が11日、26回の反撃を実施したと発表した。米CNNは11日、米軍高官の話としてウクライナが大規模な反転攻勢の前段階となる作戦に着手したと報じた。
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(写真:読売新聞)
露国防省は11日深夜、異例の緊急声明を発表しウクライナ軍が複数の場所で露軍陣地を突破したとの情報は「誤り」だと訴えていた。
ウクライナの国防次官は12日、露軍が全域制圧を目指す東部ドネツク州の要衝バフムト周辺でウクライナ軍が約2キロ・メートル前進したとSNSで明らかにした。バフムトから北西と南西の方角にそれぞれ延びる2本の幹線道路付近で露軍側を後退させたとの指摘が複数ある。露軍が占領する州都ドネツク西方でも進軍したとみられている。
米国の軍事専門家マイケル・コフマン氏は、ウクライナ軍の反撃に関し「露軍側をバフムト周辺にくぎ付けにしようとしている。反転攻勢は別な場所になる」との見方をSNSで示した。
米CNNによるとウクライナ軍が展開しているのは、敵軍拠点の破壊や地形の変更など大規模な軍事作戦の地ならしをする形成作戦と呼ばれるものだ。ウクライナ軍が反転攻勢で奪還を目指す有力候補とされる南部ザポリージャ州の主要都市メリトポリ中心部では12日、大きな爆発が起きた。
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は11日夜のビデオ演説で軍事に関連し「近く非常に重要なニュースを発表できるだろう」と思わせぶりに語った。