12日、ウクライナ東部バフムト近郊で砲撃するウクライナ兵=AP
ウクライナ軍報道官は12日、ロシア軍が全域制圧を狙う東部ドネツク州の要衝バフムト周辺で、過去3日間に約17平方キロ・メートルを解放したと強調した。米CNNも12日、ウクライナ軍の反撃を受けた露軍が市北郊で約5キロ・メートル後退したとの見方を伝えた。ウクライナ軍は大規模な反転攻勢の準備段階として、東部で反撃を強化し、露軍に揺さぶりをかけているとみられる。
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露国防省も12日の発表で、露軍部隊がバフムト北郊の貯水池周辺まで撤退したと認めた。ウクライナ軍はバフムト南西でも集落を奪還した。いずれも幹線道路に近く、補給が改善する。
ウクライナ軍はドネツク州と隣接する東部ハルキウ州東端のクピャンスク方面などでも反撃を強めているとの情報がある。タス通信などによると、ロシアが一方的に併合した東部ルハンスク州の州都ルハンスク中心部で12、13の両日、露軍の司令部などで大規模な爆発が起きた。州都は最前線から約100キロ・メートル後方にあり、ウクライナが英国から供与を受けた長射程巡航ミサイル「ストーム・シャドー」が使われたとの見方が出ている。
一方、ウクライナ空軍によると、13日に発射された露軍の無人機21機のうち、17機を迎撃した。首都キーウ周辺では全て迎撃したが、西部フメリニツキー州では医療施設などに被害が出て、州知事によると21人が負傷した。