中国南西部にある世界最大の電波望遠鏡「中国天眼」(FAST、2023年5月18日提供)。(c)CGTN Japanese
【5月19日 CGTN Japanese】中国科学院国家天文台は、米国とオーストラリアのスーパー望遠鏡と協力して、「中国天眼」と呼ばれる500メートル口径球面電波望遠鏡(FAST)が発見した高速電波バーストFRB 20190520Bに対して長期的観測を行い、その周辺磁場の極端な反転を明らかにしました。連星系にあることが原因である可能性があり、連星の伴星はブラックホールまたは大質量星の可能性があるとしています。この研究成果は12日に国際的に有名な学術誌の「サイエンス」に掲載されました。
高速電波バーストは、持続時間が短く、爆発エネルギーが大きい天体現象で、その爆発強度は太陽光度の数億倍に達するため、宇宙で最も強烈な電波爆発の一つとされています。2019年に「中国天眼」が世界初となる持続的に活発な高速電波バーストFRB 20190520Bを捉えた後、中国国家天文台は米国のグリーンバンク望遠鏡とオーストラリアのパークス望遠鏡を利用して17カ月間の長期観測を行いました。その「ファラデー回転量」が2回の正負の激しい変化の過程を経ていることが分かり、高速電波バーストを繰り返す周辺に磁場反転が存在することが明らかになりました。
専門家によりますと、周辺磁場に極端な反転が存在しているため、FRB 20190520Bが連星系にある可能性が高いことを意味し、連星の伴星はブラックホールか大質量星の可能性があります。今回の発見は、高速電波バーストの起源と環境を明らかにする重要な一歩になります。今後、「中国天眼」が発見したFRB 20190520Bに対する持続的なモニタリングにより、高速電波バーストの起源と環境がさらに明らかになることが期待されます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News
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