福山雅治(C)日刊ゲンダイ
地上波の春ドラマ中盤戦。世帯視聴率では福山雅治(54)主演のTBS日曜劇場「ラストマン―全盲の捜査官―」が21日放送回も12.8%(関東地区=ビデオリサーチ調べ)と、第5話終了時点ですべて2桁をキープして独走の気配だ。
なぜ工藤静香と篠原涼子? グランドデザインの見えない“時代遅れ”NHK紅白歌合戦の断末魔
「『ドラマのTBS』の看板枠である日曜劇場は、昨年1月期から5クール連続で視聴率を落とし、特に直近2作は平均で2ケタに届かずフィニッシュ。ネットの評価もイマイチだったところで、フジテレビ月9との“キムフク戦争”を制した福山さんは“救世主”扱いです。まさに最後の切り札、ラストマンですね」(広告代理店関係者)
ネット上には《そもそもの設定に無理がある》《全盲の主人公と、福山雅治&大泉洋コンビが売りだけど、ストーリー的には古臭い刑事ドラマ》なんてネガティブな書き込みもあるが、《初回を見て『教場0』に圧勝だと感じた》《大泉洋とのコンビが抜群》など好意的な声が主流で、おおむね好評だ。
テレビコラムニストの亀井徳明氏は「キムフク戦争も世帯視聴率も視聴者にはまったく関係ありませんが、『ラストマン』の視聴率が好調なのには理由がある」と、こう続ける。
「地上波の連ドラをオンタイムで見る層が大好きな、“1話完結型のベタな刑事ドラマの構成”がベース。たとえば12日放送の第4話は、“誰が犯人か”“なぜそれに気づいたか”がものすごく分かりやすくて、年配の夫婦が一緒に見ながら、《あっ、この女優さんが怪しい》《2クリックで1カ月前のメールをプリントするのは不自然だよね》なんて会話をしている昭和的風景が目に浮かびます。単に事件解決で終わりではなかったり、大泉さんの“福山口調”のものまねや、最後の最後に福山さんの『歌いますか?』など、ネットで盛り上がれそうな小ネタも効いていましたよね」
しかも昨年の「NHK紅白」の大トリと司会のバディーとあれば、地上波をオンタイムで見る層の支持はさらに厚くなって当然ということか。
「ラスボス的な存在を匂わせたり、若手の今田美桜さんと永瀬廉さんの微妙な関係への興味もほどよいバランスで入っています。設定やストーリーの不自然さにツッコミを入れる“ありえない警察”もいますが、それも含めたエンターテインメントなのでしょう」(テレビ誌ライター)
■福山雅治が井上順に見える?
前出の亀井氏はこんな楽しみ方もあると言う。
「いろんな見方があっていいと思います。僕はこのドラマで、福山さんが時々、井上順さんに見える瞬間があって、《あっ、いま井上順の顔!》なんてつぶやきながら楽しんでいます」
昭和の時代に一世風靡した井上順は三枚目のイメージが強いが、もともとザ・スパイダースのミュージシャンで、俳優としても活躍した「元イケメン」、と言ったら怒られるか。日曜劇場復活のラストマンは、井上順の顔をしていた?