(写真:読売新聞)
ロシアが侵略するウクライナに拠点を置く二つのロシア人武装組織は1日、ウクライナと国境を接する露西部のベルゴロド州に進入し、国境付近で露軍と交戦したとSNSに投稿した。地元州知事によると、武装組織は断続的な砲撃も行った。州都ベルゴロドには無人機攻撃もあった。
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武装組織の大規模な進入攻撃は5月22日以来で、国境警備の強化を指示していたプーチン大統領の威信が傷ついた。進入攻撃を行ったのは「ロシア義勇軍団」と「自由ロシア軍団」で、自由ロシア軍団はSNSに露軍の弾薬庫や軍用車両を砲撃で破壊したとする動画を投稿した。露軍に投降も呼びかけた。
ベルゴロド州でロシア軍が攻撃を受けたとされる画像(1日、SNSから)=ロイター
露国防省は1日夜、「ウクライナの政権による新たなテロ行為の試みを阻止した」と発表し、1日未明から朝にかけて武装組織の戦闘員約70人を銃撃戦などの末に殺害したと主張した。戦車5両、軍用車12台などを破壊したとしている。
地元州知事によると、国境に近いシェベキノ一帯では多連装ロケットシステムなどを使った砲撃で住宅や行政庁舎が被害を受け、10人以上が負傷した。米CNNによると、ウクライナの外務次官は1日、「我々は一切の責任がない」と攻撃への関与を否定した。武装組織はウクライナ軍や情報機関との協力関係が取りざたされている。