ロシア国旗
ロシアによるウクライナ侵略で、露国防省は6日未明、最前線の東部ドネツク州南部で大規模な攻勢を仕掛けたウクライナ軍を露軍が撃退したと主張した。露国防省がウクライナ軍の攻勢を発表するのは5日未明に続いて2日連続。ウクライナ軍が準備してきた本格的な反攻作戦を開始したとの観測も出ているが、ウクライナ側は「ロシアの情報戦だ」とし、反攻への着手を否定している。
【写真】4日に公開されたウクライナ東部ドネツク州での戦闘の様子
露国防省は6日未明の発表で、ウクライナ軍に1500人以上の人的損失を与えたほか、ドイツ製主力戦車「レオパルト」8両を含む戦車28両、フランス製装甲車「AMX10」3両、109台の戦闘車を破壊したと主張した。露国防省は5日未明の発表でもウクライナ軍に250人以上の損害を与え、戦車16両などを破壊したと主張していた。
一方、ウクライナ国防省は5日、「ロシアはウクライナ軍が反攻作戦で大損害を受けたとする虚偽の情報を流し、国民に抗戦を断念させようとしている」と指摘。「東部ドネツク州バフムト周辺での露軍の失敗を隠すための情報戦だ」とする見方も示した。ウクライナメディアが伝えた。
ロシアが完全制圧を発表したバフムトを巡っては、ウクライナのマリャル国防次官が5日、ウクライナ軍が同市周辺で有利な陣地を確保して攻勢に転じ、露軍に防戦を強いるなど「成功を収めている」と指摘。ウクライナのゼレンスキー大統領も5日のビデオ声明で、同市周辺でウクライナ軍が前進しているとした。
バフムトを巡る戦闘で露軍側の主力を担った露民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏も5日、バフムト近郊の集落ベルホフカの「一部がウクライナ軍に奪回された」とSNS上で指摘し、露軍上層部を批判していた。