米下院軍事委員会、ウクライナ支援を縮小して対中国対策への投資を望む

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バイデン政権がウクライナ支援のため確保している資金は9月末に尽きる見込みで、下院軍事委員会は「ウクライナ支援を縮小して対中国対策に資金を投資したい」と考えており、白紙の小切手に資金が補充される可能性は低くなってきた。

ウクライナ支援は軍事支援と財政支援の両輪で成り立っているため、この問題はウクライナ・レンドリース法だけで何とかなる話ではない

バイデン政権が議会承認をパスして次々とウクライナ支援を実行できるのは下院が承認した白紙の小切手=累計1,130億ドルの資金がベースで、この資金の3/5=670億ドルは軍事支援に、残りの2/5は政府援助、経済支援、難民支援などに割り当てられており、国防総省は「(政府が容認したウクライナへの軍事支援の資金は)9月末までに底をつく」と予想している。

米下院軍事委員会、ウクライナ支援を縮小して対中国対策への投資を望む

出典:U.S. Air Force photo by Mauricio Campino

つまり下院が新たな資金供給を承認しなければ「バイデン政権のウクライナ支援は止まってしまう」という意味で、共和党主導の下院は「もう白紙の小切手は認めない」と主張しており、下院のケビン・マッカーシー議長は「中国の脅威に対処するため追加資金を供給すべきだ」と主張、これに賛同した下院軍事委員会のマイク・ロジャース委員長も「この夏の反撃がどの程度有効か、9月末までに停戦などの動きが出てくるかでウクライナ支援を見直すことになるだろう」と述べ、さらに見直されたウクライナ支援の規模についても「現在よりも遥かに小規模になる」と指摘した。

国防総省も今後のウクライナ支援は予算計上を行わず、必要に応じて議会の承認を得る形になると述べており、恐らくバイデン政権はウクライナ支援を自由に実行することが出来なくなる。

米下院軍事委員会、ウクライナ支援を縮小して対中国対策への投資を望む

出典:DoD photo by U.S. Navy Petty Officer 2nd Class Alexander Kubitza

さらにウクライナ支援問題を複雑にしているのが台湾への軍事支援パッケージで、オースティン国防長官は台湾防衛のため米軍備蓄からの武器移転を提案中で、これを実行するため米軍備蓄を埋め戻すための資金を議会に要求中だ。

要するに債務上限停止法案が成立して国防予算のトップラインは8,860億ドルに設定されたが、毎年恒例となっているウィッシュリストによる抜け穴(国防予算外で装備やサービスを調達するための優先リストで、軍はF-35Aやアーレイ・バーク級駆逐艦などを調達する資金の一部もウィッシュリスト経由で獲得している)を塞ぐため、下院は国防予算を8,860億ドルで固定化したため国防総省は160億ドル以上の資金不足に直面しており、もう米軍への投資、ウクライナへの軍事支援、台湾への軍事支援に資金を供給していく余裕はない。

米下院軍事委員会、ウクライナ支援を縮小して対中国対策への投資を望む

出典:Angela Perez

台湾への軍事支援パッケージを実行するなら他の支出を削らなければならず、下院も対中国対策への投資を望んでおり、その影響を最も受ける可能性が高いのがウクライナ支援というわけで、軍事関連だけに限ればウクライナ・レンドリース法で凌ぐことも可能だが、ウクライナ支援は軍事支援と財政支援の両輪で成り立っているため、この問題はウクライナ・レンドリース法だけで何とかなる話ではない。

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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army photo by Sgt. Charles Probst/Released

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