トイレから車にくら替え?相次ぐ高額請求トラブル◆業者サイトに不審な痕跡【時事ドットコム取材班】#ニュースその後

[ad_1]

パンクのイメージ画像

【写真】注意喚起する損保ジャパンの公式サイト

◆「保険金がおりる」とうそ

 関東に住むある30代の男性。車がパンクし、契約している損害保険会社に電話したが、なかなかつながらず、駆け付けてくれそうな業者をスマートフォンで検索した。業者は当初、「1万5000円で修理できる」と話していたが、その後、「レッカー移動とタイヤの購入が必要」と説明を変遷させた。「損保会社に請求すれば保険金がおりる」などと言われた男性は15万円を支払ったが、結局、保険金は受け取れなかったという。

 大手損保各社は今春、こうしたトラブルが各地で確認されているとして、注意喚起の文書を相次いでウェブ上に公表した。文書によれば、「損保会社と提携しているので、費用は後で全額戻ってくる」と虚偽の説明をされたり、料金を支払うまで車を返してもらえなかったりした人もいる。

 刑事事件に発展したケースもある。三重県鈴鹿市の女子大学生は22年6月、車のバッテリーが上がったため、検索で上位に表示された格安業者に依頼。サイトには「基本料金3480円~」と書かれていたが、現場出向費や夜間割増料金などの名目で費用を上乗せされ、計10万4500円の請求を受けた。愛知県警は23年3月、女子大生に「クーリングオフはしません」と書かせるなどした書面を渡したとする特定商取引法違反容疑で、業者の男を逮捕した。

トイレから車にくら替え?相次ぐ高額請求トラブル◆業者サイトに不審な痕跡【時事ドットコム取材班】#ニュースその後

東京電力福島第1原発事故後で設定された警戒区域から持ち出された車両のバッテリーを交換する日本自動車連盟(JAF)職員=2011年6月1日、福島県広野町

 「トラブル報告が相次いで寄せられるようになったのは、22年のゴールデンウイークのころです」。一般社団法人「日本損害保険協会」(東京)で不正請求対策を担当している斎藤識樹係長は、ため息をつきながら話した。

 斎藤係長によると、各社から寄せられる報告には共通点がみられるという。➀トラブルについてスマートフォンなどで検索し、検索結果の上の方に表示されたロードサービス業者に依頼➁サイト上では数千円程度の格安料金をうたっているが、現場で出張費や作業費などを上乗せされ、断ると多額のキャンセル料を請求される➂その場でのクレジットカード決済を求められるーの3点だ。

 トラブルは関東や中部地方、北海道などで起きていることが分かっているが、全国的な発生状況は、損保協会でもつかめないそうだ。いったいどれほど広がっているのか。記者は国民生活センターに取材してみたが、センターでは統計的なデータを集計していなかった。そこで、東京都消費生活総合センターに①~③の特徴に該当する都内の消費者相談件数を調べてもらったところ、20年度までは年に数件程度だったが、21年度は14件、22年度は37件の相談が寄せられていたことが分かった。

◆悪質トイレ業者と「共通点」

 取材当初から気になっていたのは、ロードサービス業者の高額請求に至る経緯が、昨年、取材班で取り上げた水道業者をめぐるトラブルにそっくりだということだ(▶参照:記事下に「トイレ詰まった」検索しないで!若者ほど陥る高額請求の”わな”【時事ドットコム取材班】)。

 大手検索サイトで「トイレが詰まった」と検索すると、検索結果画面の上部に「最速5分で駆け付け」「出張無料、24時間対応」などと書かれた業者のサイトが表示されることがある。こうした仕組みは「リスティング広告」や「検索連動型広告」と呼ばれ、広告大手「電通」などの分析によると、検索連動型はウェブ広告市場で近年、最も多くの広告費が投じられているという。

 表示には「スポンサー」などの記載もある。だが、トイレ詰まりでは、広告だと気付かずに修理を依頼していた人が少なからずおり、ロードサービスでの高額請求相談者からも「検索画面の1番上に表示されたので、よく検索されている業者だと思った」との声が寄せられていた。

[ad_2]

Source link