(写真:読売新聞)
ウクライナのハンナ・マリャル国防次官は26日、東部ドネツク州の要衝バフムト周辺で週末に攻勢を仕掛け、ウクライナ軍が1~2キロ・メートル前進したと発表した。マリャル氏はSNSで「戦術的成功を収めた」と述べた。南部で17平方キロ・メートルを解放し、大規模な反転攻勢開始以来、計130平方キロ・メートルを奪還したという。
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英国防省は25日、ウクライナ軍は戦術の練度を上げているとの分析を示し、ここ数日で「重要な地域で徐々に前進している」と指摘した。26日の分析でも、バフムト周辺で攻撃に勢いがあるとして、バフムトの「北と南の両側面で前進した」との見方を示した。
25日、ウクライナ南部ザポリージャ州で多連装ロケット砲を発射するウクライナ兵=ロイター
ウクライナ軍は24日、多方面で反攻を実施したことを明らかにしている。ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のエフゲニー・プリゴジン氏が、プーチン政権に反旗を翻した露国内の混乱に乗じた反転攻勢とみられている。
ワグネルによる反乱の影響について米CNNは26日、「ウクライナに駐留する露軍兵士の士気はすでにもろく、多くは何のために戦っているのか自問することになるだろう」と指摘。「ウクライナにとっては追い風でしかない」と分析した。
ウクライナのオレクシー・ダニロフ国家安全保障国防会議書記は25日、「プーチン体制解体の第1段階だ」との認識を示した。ロシアではプーチン露大統領に不満を持つグループが形成されているとの見解を示し、プリゴジン氏の反乱は「氷山の一角にすぎない」と述べた。