警察がたどりついた、特殊詐欺グループのトップ「首魁」 2年半に及ぶ「突き上げ捜査」の舞台裏【仮面の罠 断て特殊詐欺】

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岡山県警の突き上げ捜査で、捜査本部が置かれた岡山中央署(画像の一部を修整しています)

【図解】特殊詐欺グループのイメージ

 「第21報 詐欺組織の首魁の男を逮捕」。2022年2月3日、岡山県警岡山中央署が報道機関向けに発表した資料にそうつづられていた。資料は末端から上位者への「突き上げ捜査」の末、トップ摘発にこぎ着けたことを伝えていた。

 トップ摘発の難しさはデータにも如実に表れている。警察庁によると22年、首魁を含む主犯格の摘発は48人。特殊詐欺の摘発人数全体の1・9%にとどまった。

 岡山県警はどのように首魁とされる人物を逮捕したのか。取材班は関係者の証言や公判記録を基に捜査の過程を探った。

受け子逮捕から芋づる式に

警察がたどりついた、特殊詐欺グループのトップ「首魁」 2年半に及ぶ「突き上げ捜査」の舞台裏【仮面の罠 断て特殊詐欺】

特殊詐欺グループのイメージ図

 「あなたの口座で高額商品が購入されている」。同年3月、岡山市内の70代女性方に家電量販店の店員や警察官を名乗る人物から電話があった。その後、銀行協会職員になりすました若い受け子の男が女性方を訪ね、キャッシュカード1枚をだまし取った。

 捜査員は受け子の足取りを追った。関係先の防犯カメラを解析し、広島市内の当時18歳の少年と特定。事件発生から約20日後、身柄を確保した。

 ここから2年を超える岡山県警の突き上げ捜査が始まった。

 少年の所持品や周辺を丹念に調べた。手掛かりの一つになったのは通信アプリ「シグナル」の履歴。このアプリは一定時間が経過すると履歴を自動的に消せる機能がある。だが、スマートフォンには犯行に関する内容が残っていたという。

 少年は交友関係を通じて犯行に加わっていた。県警は事情を知る知人らをたどり、共犯者の広島県安芸高田市の少年や、受け子を勧誘する山口県内のリクルーターの男らを次々と逮捕。捜査関係者は「順を追って調べることで芋づる式に摘発できた」と振り返る。

 同年8月には、複数のリクルーターを束ねる「まとめ役」の男も逮捕した。

 「『UD』をしてもらう」「うたったら殺す」。まとめ役の男は山口県内で受け子らに会って指示を出し、脅しの言葉も使っていた。「UD」とは「受け子」「出し子」のそれぞれのアルファベット表記の頭文字、「うたう」は警察の調べに犯行を認めることを意味する隠語だ。

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