亡くなった人がひつぎの中でドライアイスに中毒死…遺体の保冷にも注意が必要

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消費者庁と国民生活センターは、遺体の保冷目的で使用されるドライアイスが気化した二酸化炭素を吸い込んで中毒死した事故が少なくとも3件発生したと発表しました。これらの事故は、遺体を納めたひつぎの近くで発見されました。

ドライアイスの危険性について

消費者安全法に基づく事故情報の記録によれば、2010年以降、宮城県、宮崎県、沖縄県の3県で合計3人が死亡しました。全ての事例で二酸化炭素の中毒が疑われています。宮城県のケースでは、ドライアイスを敷き詰めた棺おけの小窓を開けたところ、70代の方が意識不明の状態で発見されました。宮崎県と沖縄県のケースでは、ひつぎのふたを開けた際に人が顔を突っ込んだ状態で見つかり、その後死亡が確認されました。

空気中の二酸化炭素の濃度は約0.04%ですが、3%以上になるとめまいや頭痛などの症状が現れ、5%になると呼吸困難を引き起こします。30%に達すると即座に意識を失います。このガスは無色・無臭のため、高濃度であっても気づきにくいのです。

ひつぎの中の二酸化炭素濃度について

消費者庁等の調査によると、密閉されたひつぎの中の二酸化炭素濃度は最大で90%にまで上昇することがあります。ひつぎのふたを開けた場合でも、約50分の間は濃度が30%前後に保たれるため、中を覗き込むことは非常に危険です。

消費者庁では、葬儀などで故人とお別れをする際には、ひつぎの中に長時間顔を入れず、室内を十分に換気するよう注意を呼びかけています。このような事故を未然に防ぐために、周囲の方々も注意が必要です。

もしどうしてもひつぎの中を覗き込みたい場合は、専門家に相談するか、ドライアイスの取り扱い方法について事前に詳しく調べることをおすすめします。

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