スウェーデンのNATO加盟がロシアにもたらす「地政学的な危機感」


トルコのエルドアン大統領がスウェーデンのNATO加盟を認める意向を示す

スウェーデンのNATO加盟がロシアにもたらす「地政学的な危機感」

記者会見するバイデン米大統領とフィンランドのニーニスト大統領(左)、スウェーデンのアンデション首相(右)=2022年5月19日、ホワイトハウス(UPI=共同) 写真提供:共同通信社

飯田)トルコはずっとスウェーデンのNATO加盟には反対していましたが、動きましたね。

奥山)トルコの非合法組織である「クルディスタン労働者党(PKK)」を敵視しているという状況で、「テロリストを匿っているのではないか」と非難し、スウェーデンの加盟に反対していました。おそらく今回の動きのなかで、何らかの取り引きがあったのでしょう。

飯田)それで加盟を認めた。

奥山)フィンランドとスウェーデンの加盟によって、NATOがまた拡大しました。

フィンランドとスウェーデンのNATO加盟で、内海であるバルト海を獲られたロシア

飯田)内海が獲られた。

奥山)地図で説明するとわかりやすいのですが、ロシアにとって外に出て行く海、特にヨーロッパ側へ出て行く海は限られています。上の方から出て行くパターンもあるのですが、何と言ってもプーチン大統領のお膝元であるサンクトペテルブルクなどがある、バルト海という海です。

飯田)バルト海。

奥山)フィンランド、スウェーデン、ロシア、バルト三国などに囲まれている内海です。出口はデンマークです。

飯田)ヨーロッパの地図を思い浮かべると、スカンジナビア半島が伸びており、ちょうどそこにバルト海の入口があります。なかが入江のように奥深くなっていますね。

バルト海はかつて、ほとんどがソ連の内海だった

飯田)バルト海に面している国々を思い浮かべると、入口にデンマークがあり、なかに入るとドイツがある。

奥山)当時は東ドイツが蓋をしてしまっていました。

飯田)バルト海に面していたのは、ほぼ東ドイツだったのですね。東ドイツがあり、ポーランドもあります。

奥山)あとは全部、ソ連ではないですか。



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