イタリア、レオパルト2A8の新規調達とアリエテのアップグレードを実施

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ウクライナ侵攻を受けて伝統的な地上戦力の再評価に注目が集まり、イタリアでもポルトラーノ中将が3月「アリエテと後継計画のギャップを埋める戦車を迅速に調達したい」と述べていたが、イタリアがレオパルト2A8を133輌調達する報じられている。

ドイツが最近導入を決めたレオパルト2A8の調達とアリエテのアップグレードを実施すること希望

ウクライナ侵攻を受けて伝統的な地上戦力の再評価に注目が集まり、欧州では新しく戦車や歩兵戦闘車の調達(侵攻前から計画されていたものを含む)や検討を行う国が急増しているのだが、イタリアでもポルトラーノ中将が3月「アリエテとダルドの後継計画が具体化するまで時間がかり、このギャップを埋める戦車と歩兵戦闘車を迅速に調達したい」と国防委員会で言及して注目を集めていた。

イタリア、レオパルト2A8の新規調達とアリエテのアップグレードを実施

出典:7th Army Training Command / CC BY 2.0

イタリアはアリエテの後継に独仏が開発を進めている「Main Ground Combat System(MGCS)」を検討していたが、両国は共同開発の枠組みにイタリアを参加することに否定的(顧客して購入するのはOK)で、次期主力戦車を検討していたポーランドに「イタリアとスペインの3ヶ国で共同開発しないか?」とも提案(ウルフ・プログラムの勝者に韓国製のK2PLを選択)しており、伊産業界の関与が未知数なMGCSを導入するのか、単独もしくは新たに国際共同開発の枠組みを作るのか見えていない。

ダルドの後継計画は2022年度予算で「国際的なパートナー(共同開発国)を2024年までに決定する」と触れているものの、仕様はもちろん誰と共同開発するのかも謎なので先行きが明るくなく、ウクライナ侵攻が現実のものになると「欧州でも伝統的な地上戦を伴う戦争が発生する」と証明されてしまい、正統な後継計画が軌道に乗るまで国防力のギャップを放置できないという理由で「戦車と歩兵戦闘車を迅速に調達したい」とポルトラーノ中将は主張しているのだ。

イタリア、レオパルト2A8の新規調達とアリエテのアップグレードを実施

出典:Bundeswehr/Ralph Zwilling レオパルト2A6

イタリア国防省の関係者は「安全保障に必要とされる戦車の数は250輌で、アリエテのアップグレードは125輌(2035年まで運用予定)しか予定されていないため125輌のギャップが存在する」と明かし、元国防次官のミューレ議員は「ギャップを埋めるための戦車は購入ではなくリースが現実的な解決策で、NATOや欧州で運用実績があり、信頼性が高く、兵站基盤が確立されている戦車が必要だ」と述べていたためレオパルト2A7導入が噂されていたが、イタリアは新型のレオパルト2を133輌調達する計画だと報じられている。

メローニ政権のラウティ国防次官は「保有する200輌のアリエテは50輌しか運用状態になく、NATOの要求を満たすためには250輌以上の戦車が必要で、2024年からの新規購入に40億ユーロの予算計上が行われる予定だ(戦車取得に関連した総支出は80億ユーロを想定)」と明かし、ドイツが最近導入を決めたレオパルト2A8の調達とアリエテのアップグレードを実施すること希望しているらしい。

ラウティ国防次官はレオパルト2A8の調達数を明らかにしなかったが、計画に詳しい関係者は「133輌が必要」と答えており、40億ユーロの費用で2024年から2037年の間にレオパルト2A8を購入し、さらにレオパルト2の派生型調達にも資金を投入していくと関係者が述べているため、回収車輌などの各種支援車輌も同時に調達するという意味なのだろう。

アリエテのアップグレード規模は事前の報道通り「125輌」で、計画に詳しい関係者は「アップグレードには約9億ユーロの資金が投じられ、アリエテの寿命は2034年まで延長されるだろう」と明かしている。

イタリア、レオパルト2A8の新規調達とアリエテのアップグレードを実施

出典:Lukas1325 / CC BY-SA 4.0 Lynx KF-41

因みに歩兵戦闘車についてはラインメタルは「ダルドの後継にリンクスを購入するなら現地生産できる可能性がある」と主張していたが、こちらについては新しい情報はなく「ラインメタルがリンクスを売り込んでいる」としか触れられていない。

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※アイキャッチ画像の出典:Norsk hær レオパルト2A7NO

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