ウクライナ空軍は24機~36機のF-16を要求、将来的には150機程度が必要

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イグナト報道官は14日「ウクライナは2個~3個飛行隊分=最小24機~36機の戦闘機が必要だ」と明かし、ゲームプランについても「国境地域のロシア軍機排除」「自爆型無人機と巡航ミサイルの撃墜」「味方の地上部隊支援」に言及した。

36機のF-16を提供して運用・維持するためのコストは72億ドル、F-35Aなら67機以上を調達できる額

ウクライナ空軍のイグナト報道官は14日「将来の潜在的な脅威から国を守るには150機程度の戦闘機が必要だが、ひとまず2個~3個飛行隊分の戦闘機を必要としている。これだけの数があれば兵士達を助けることができる」と述べおり、現地メディアは「1個飛行隊の編成は12機~18機だ」と指摘しているため24機~36機(18機編成なら36機~54機)のF-16を要求しているという意味だ。

ウクライナ空軍は24機~36機のF-16を要求、将来的には150機程度が必要

出典:U.S. Air National Guard photo by Staff Sgt. Taylor Solberg

さらにイグナト報道官は手に入れた戦闘機で何を達成するのか=ゲームプランについても「①:誘導弾を使用するロシア軍機を国境地域から追い払う」「②:自爆型無人機と巡航ミサイルの撃墜」「③:地上戦を戦う味方部隊の支援」と言及、①はカスピ海上空で巡航ミサイルを発射するTu-95やTu-160のことではなく「Kh-59を使用する戦闘機もしくはキンジャールを使用するMiG-31Kを国境上空から遠ざけたい」という意味だと思うが、②以外のゲームプランが実行可能かどうかは本当に良くわからない。

F-16の元パイロットは「ウクライナ全土(占領地域を含む)には夥しい量の地対空ミサイルが存在するため1,000フィート以下の低空を飛行しなければならず、この制限は非ステルス機なら旧ソ連製戦闘機でも西側製戦闘機でも同じで、F-16を手に入れてもウクライナ人が持っている戦闘機とやれることに違いはない」と述べており、F-16のレーダー性能を活かすため高い高度を飛行してAMRAAMで前線の低空域をカバーしようとすればS-400に狙われ、これを避けるため低高度で前線に近づけばR-37Mで狙われるため、根本的にMiG-29やSu-27で出来ないことはF-16でも出来ない可能性がある。

ウクライナ空軍は24機~36機のF-16を要求、将来的には150機程度が必要

出典:PHOTO BY Senior Airman Duncan Bevan

ただF-16なら使用する空対空ミサイル(AIM-120A/Bが濃厚、AIM-120C、AIM-120C-7、AIM-120C-8、AIM-120Dの提供は未知数)の性能が格段に向上するため、MiG-29やSu-27では出来ないことも可能になるかもしれないが、基本的に国境や前線に近づくとS-300やS-400の迎撃を避けるため高度を落とす必要があり、このあたりの運用制限がF-16の能力を活かせないと危惧されているのだ。

この問題は③にも影響し、どれだけ効果的な対地攻撃が可能なのかは「やってみなければ分からない」と言いたいところだが、米国のミリー議長は「10機のF-16をウクライナに提供するには10億ドルもの費用がかかり、この10機を維持するには更に10億ドルの費用がかかる。つまり10機の戦闘機提供にかかるコストは20億ドルだ」と訴えたことがあり、24機~36機のF-16を提供して運用するためには48億ドル~72億ドル(18機編成なら72億ドル~108億ドル)ものコストを西側諸国は新たに負担しなければならない。

ウクライナ空軍は24機~36機のF-16を要求、将来的には150機程度が必要

出典:DoD photo by Chad J. McNeeley

要するに「やってみたけどダメでした」が許される額ではないため、慎重にコストと効果を天秤にかける必要があるという意味だ。

因みに72億ドルという額を解りやすく例えると、F-35A(1機=1.06億ドル)なら67機以上、アーレイ・バーク級駆逐艦(1隻=19.3億ドル)なら3隻以上、PAC-3MSE(252発=10.4億ドル)なら1,764発以上を調達できる額で、恐らくミリー議長は「戦時の戦闘機運用にかかるコストは本当に高価なんだ」と訴えたかったのだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:Oleksii Reznikov

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