ホワイトハウス報道官、年末までにF-16がウクライナに到着すると言及

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国防総省のシムズ中将は「現状の環境下でウクライナがF-16を運用するのは理想的と言えない」と述べていたが、ホワイトハウスのカービー報道官も「我々はF-16だけで現在の状況を変わると信じていない」と語り注目を集めている。

今から考えるとロシアが動員に踏み切ったタイミングで戦場環境は決定的に変化してしまったのだろう

ウクライナの主要な政府・軍関係者は「F-16があれば状況が変わる」と主張しているが、米国の主要な政府・軍関係者は「F-16を提供しても状況は変わらない」と主張しており、特にウクライナ軍の反攻作戦が期待されていた進展を見せなかったため「F-16提供が間に合っていれば結果は変わっていた」という主張も多く、国防総省のダグラス・シムズ中将は14日「現環境下でウクライナがF-16を運用するのは理想的と言えない。ロシアは防空能力と相応の航空戦力を持っているため、提供されるF-16の数では現在の状況に対応できないだろう」と述べた。

ホワイトハウス報道官、年末までにF-16がウクライナに到着すると言及

出典:U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Matthew Lotz

さらにホワイトハウスのカービー報道官も20日、FOX NEWSの取材に応じた中で「我々はF-16だけで現在の状況を変わると信じていない」と語り注目を集めている。

カービー報道官は「年末までにF-16がウクライナに到着すると思うが、我々はF-16だけで現在の状況を変わると信じていない。現在のウクライナにとって何よりも重要なのは大砲で、だからこそ大統領は『クラスター弾薬を提供する』という難しい決断を下したのだ。戦場では1日に何千発もの砲弾を撃ち合っており、まさに大砲による銃撃戦だ。ウクライナが本当に必要としているものは大砲、弾薬、防空システム、戦車や歩兵戦闘車といった装甲車輌の4分野で、この提供に本気で取り組んでいることは昨日の支援パッケージを見れば分かるだろう」と言及。

ホワイトハウス報道官、年末までにF-16がウクライナに到着すると言及

出典:NATO Arctic Circle

反攻作戦の進展とF-16提供を結びつける考え方にはNATOのバウアー軍事委員長も「戦闘機をウクライナに提供する時期は反攻作戦後になるだろう。この問題を現在の反攻作戦とリンクさせて議論すべきではない」と忠告しており、米空軍のブレマー大佐も「ウクライナ軍の成功にとって重要なのは『制空権の確保』ではなく『敵制空権の否定』で、強力なロシア軍の防空システムに空から挑戦するのではなく、地対空ミサイルによるシンプルな接近拒否戦略を貫くべきだ」と主張している。

どちらの言い分が正しいのかF-16が投入されてみないと分からないが、少なくとも一般的な世論が「ウクライナ軍の反攻作戦は期待外れだ」と感じるのは、戦場環境の違いを無視して「レオパルト2やブラッドレーを手に入れたウクライナ軍は待望の反攻作戦でハルキウ反撃のような成功を収めるだろう」とメディアが期待し過ぎた部分にも原因があり、F-16があれば反攻作戦の結果は違うものになるという主張も似たようなもかもしれない。

ホワイトハウス報道官、年末までにF-16がウクライナに到着すると言及

出典:Ministry of Defence of Ukraine

ロシア側は「キーウ政権が逃げ出して戦争は短期間で終わる=本格的な戦闘は発生しない」という前提で侵攻を開始したため、侵攻初期の戦況は専門家の予想を尽く覆す「驚きの連続」で、プーチン大統領は戦線縮小後も兵士不足の問題を軽視し、さらにヘルソン防衛のためハルキウ州東部に展開していた戦力をウクライナ南部に移動させて戦力密度の低下を招き、これを見抜いたウクライナ側に「信じられない成功体験」をプレゼントしてくれたが、今から考えるとロシアが動員に踏み切ったタイミングで戦場環境は決定的に変化してしまったのだろう。

現在のロシア軍占領地域に「侵攻初期」や「戦線縮小後」のような隙=戦力密度が異常に低い地域はなく、ヘンソンからルハンシクまでの全線で入念な防衛ラインが構築されているため、もはやハルキウ反撃ような意表を突く反攻作戦の実施は不可能に近く、FPRIのシニア研究員で軍事アナリストのロブ・リー氏はCNNに「地雷原の処理自体はさほど難しくないが、砲撃が飛び交う戦場で処理するのは相当難しく、この戦場に適応したウクライナ軍兵士の大部分は装甲車輌から降りて戦い始めており、これは個々の兵士にかかる負担がとてつもなく大きい」と指摘。

ホワイトハウス報道官、年末までにF-16がウクライナに到着すると言及

出典:Генеральний штаб ЗСУ

反攻作戦に参加しているウクライナ軍兵士もCNNに「この戦争で砲兵は最も貴重な戦力だ。敵は我々よりも多くの兵士と大砲と砲弾を持っているため、プロフェッショナリズムで対抗しなければならないが、占領された土地を最終的に解放する大砲ではなく人間の仕事で、このプロセスには精神的なタフさと忍耐力が必要だ」と明かし、約300mの区間を解放するのに「1ヶ月半かかった」と述べているのが興味深い。

もしロシア軍の防空システムと戦闘機を対抗できる規模と能力の航空戦力提供が予定されているなら、ウクライナ空軍機は携帯式防空ミサイルシステムの脅威が届かない高度を自由に飛べるようになるため、現在の状況を確実に変えることが出来るだろう。

ホワイトハウス報道官、年末までにF-16がウクライナに到着すると言及

出典:U.S. Air National Guard photo by Staff Sgt. Sarah M. McClanahan アップグレードを終えたF-16のレーダー

追記:ウクライナ空軍のイグナト報道官は20日「F-16は弾道ミサイルを防ぐことは出来ないが、敵機、巡航ミサイル、無人機を撃墜する能力を持っている」と指摘したが、コロンビア特別区空軍州兵のマイケル・トルヒーヨ中佐は2022年6月「AN/APG-83に交換前のAN/APG-68は1度に2つ以上の移動目標を追尾するのは不可能で、敵が使用する巡航ミサイルの検出能力も0に等しかったかった」と公式のプレスリリースの中で述べていたことがある。

F-16C/DのAN/APG-83換装を効果的に見せるためのリップサービスなのか、本当にAN/APG-68搭載機が直面していた問題なのかは不明だ。

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※アイキャッチ画像の出典:PHOTO BY Senior Airman Duncan Bevan

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