石油輸出国機構(OPEC)と、ロシアなど非加盟の主要産油国は6日、ウィーンで会合を開き、原油価格の下落に歯止めをかけるため、すでに実施している協調減産の強化を決定した。現在の日量120万バレルの減産目標に対し、来年1月からは170万バレルに引き上げる。当初の予想よりも大幅な減産強化になり、今後の原油市況にも影響を与えるとみられる。
OPEC加盟国などは、現在、原油生産量を2018年秋の水準と比べ、日量で計約120万バレル減らす取り組みをしている。当初は今年1月から6月までとしていたが、原油価格の下落を受け、今年7月のOPEC総会で、来年3月までの延長が決まった。
そういった減産措置に加え、9月のサウジアラビアの石油施設への攻撃など、中東地域での地政学リスクが高まる中でも、原油市況は、さえない動きのままで、一定のレンジ幅で推移している。
来年以降ついても、米中貿易摩擦による世界経済の減速によるエネルギー需要の減少の一方、米国の原油供給がさらに拡大することが見込まれ、供給過剰となって、原油価格が下落する懸念が強まっている。
このため、OPECでは供給を抑制するため、今回、減産目標を日量50万バレル増やし、170万バレルに引き上げることを決定。原油市況の押し上げを狙う。
OPECの今年1月時点の発表に基づくと、減産参加国の18年秋時点の生産量は日量計約4500万バレル。ここから協力して170万バレルを削減することになる。
国営石油会社サウジアラムコは5日、新規株式公開(IPO)で売り出す株価を公表した。サウジにとっては、原油価格を引き上げることで、アラムコの株価下支えを図る狙いもあるとみられる。