ロシアとウクライナの国旗=ゲッティ
ロシアが占領しているウクライナ南部クリミア半島とヘルソン州を結ぶ二つの橋に対するウクライナ軍の攻撃について、米シンクタンク「戦争研究所」は6日、ロシア軍の補給路に打撃となったとの分析を明らかにした。ロシア側は今後、物流などを半島西側の別ルートに頼らざるを得なくなり、同研究所は「物資輸送に大きな混乱をもたらし、遅延や渋滞を引き起こす可能性が高い」と指摘した。
同研究所によると、ウクライナ軍が6日に攻撃したのは、半島北側のチョンガル橋とゲニチェスク橋。ロシア側の前線への主要な補給ルートみられ、ともに損壊したという。ウクライナ軍は6月にもチョンガル橋を攻撃していた。
半島の橋を巡っては、半島とロシア本土を結ぶ「クリミア大橋」で昨年10月に爆発が起き、ウクライナ軍が後に攻撃を認めた。今年7月にも同じ橋で爆発が発生。ウクライナ軍がロシア側の補給路を分断する目的で、半島のインフラを狙った攻撃を強化している可能性がある。
ロイター通信などによると、親露派幹部は今回の橋への攻撃について、ウクライナ軍が英仏共同開発の長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」を使用したと主張した。【ロンドン篠田航一】