市長が「隣町の町長から不当な圧力」と録音データ公開…町長は「一言もなしに会見、資質疑う」

　福岡県田川市の村上卓哉市長は７日、市役所で記者会見を開き、同県大任町の永原譲二町長から、田川地区８市町村が建設中の広域ごみ処理施設を巡って関連の公文書を開示しないよう不当な圧力をかけられたと主張し、会談の録音データを公開した。市が開示に応じる場合、ごみの受け入れなどに影響が出る旨を伝える場面がある。永原町長は発言をおおむね認めた上で「市長の判断を覆す意図はなかった」とした。

【写真】録音データを公開した村上卓也市長

　村上市長によると、ごみ処理施設の建設は大任町がほかの７市町村から受託して進めている。問題となっているのは、施設の建設や用地買収などに関する資料提供について、大任町の回答をまとめた文書。永原町長は文書が開示請求された後の６月２３日、田川市で村上市長らと面会し、非開示にするよう求めたという。

　公開された音声データによると、永原町長は田川市が請求に応じた場合、「あんた方とすべてにおいて協力しない」と言及。「自分たちで（ごみ処理施設を）建てなさい」などの発言もあった。

　村上市長は会見で「隠し撮りといえば隠し撮り。不当な要求があるかもしれないと思い、記録に残すことにした」と説明した。

　一方、永原町長は７日、読売新聞の取材に対し、「黙って録音して、こちらに一言もなしに会見して、資質を疑う」と反発した。