「見通しの立たないスーダン内戦、AK-47の価格が高騰する理由」

武器需要の増加により、スーダン内戦でAK-47の価格が高騰

今年4月に勃発したスーダン共和国の内戦は、現在も続いております。この内戦により、国内の人々は自身の安全確保や参戦のため、武器を求める需要が急増しています。その結果、密輸ルートを通じて流入するAK-47の価格は、850ドルから1,500ドルにまで跳ね上がってしまいました。また、より高度な銃器であるM16は8,500ドル、イスラエル製の小銃は10,000ドルで取引されているようです。

正規軍とRSFの内戦により、地域の支配権が揺れ動き、国民の武装化が進む

内戦はスーダン共和国において、正規軍(スーダン軍)を率いるブルハン議長と準軍事組織(RSF)を率いるダガロ副議長との間で発生しました。この内戦により、RSFが首都ハルツームの大部分を制圧しましたが、省庁街やハルツーム国際空港の一部は引き続き正規軍の支配下にあります。また、スーダン南部ではRSFと正規軍がそれぞれスーダン人民解放軍のアルヒル派とタンブール派を支援し、激しい戦闘が続いています。

スーダンの状況
(出典:GoogleMap スーダンの状況/管理人加工)

正規軍とRSFの和解の見通しが立たず、武器需要は増加の一途

ブルハン議長派とダガロ副議長派の間での和解が進展しておらず、停戦の見通しも立っておりません。この長期化する内戦により、武器の需要は急激に増加しました。AFPの取材に応じた武器密輸業者によれば、「以前は3ヶ月ごとに受け取っていた武器が、現在では2週間ごとに届くようになった」とのこと。また、別の密輸業者も「需要が非常に旺盛な市場で、手っ取り早く儲けようとする新たな業者が多数集まってきた」と述べています。この武器の需要は、正規軍やRSFではなく、スーダン南部の民間人が求めているとのことです。

AMISOM Public Information
(出典:AMISOM Public Information/CC0)

紅海経由での密輸により、武器がスーダン東部に流入

これらの武器は、イエメンやソマリアへの密輸ルートを通じて、紅海を経由してスーダン東部の隣国に流入してきます。特に治安が悪く警備が手薄なエリトリアからの流入が多いようです。正規軍やRSFは国境地域で取り締まりを行っているものの、武器密輸業者によれば「問題にならない」と言われています。この事実は興味深いものです。

武装化が進むスーダン国民

正規軍とRSFの内戦は、支配地域の拡大をもたらし、スーダン国民の武装化を促進していると言えます。しかし、政府の支配下にない「武器の蓄積」は、結果として治安の悪化をもたらすだけであり、どちらの陣営が勝利しても、武装した国民の問題に苦慮することになるでしょう。

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