【どうする家康】石川数正のやさしい裏切りに涙する理由

数正の裏切りとその意図

数正、家康に勧められる秀吉への臣従

『どうする家康』は、松本潤が主演し、古沢良太脚本によって描かれた大河ドラマ。このドラマでは、堅い選択を迫られる徳川家康の生涯が描かれます。第33回「裏切り者」では、秀吉に出し抜かれながらも、天下人の地位を確固たるものにしていく姿が描かれました。この回で、重臣である石川数正がショッキングな行動に出る場面があります(以下、ネタバレあり)。

数正は秀吉との面会の場で、家康に臣従し戦うことをやめ、秀吉に仕えるように勧めます。家康と密かに会った数正は、家康に秀吉との戦いをやめるよう説得されます。家康は懇願し、「あなたがいなければできません」と語ります。すると、数正は「天下人になるのが私の夢です。どこまでも一緒になります」と宣言し、自ら出奔するのです…。

織田信雄の投降と数正の出奔

数正が裏切る前に、もう一人の「裏切り者」が現れました。それは家康と共に勝利を喜ぶも、秀吉の砲火により中途半端に戦いが終わってしまった織田信雄です。彼がもう少し頑張っていれば、天下の行方は分からなくなったかもしれません。この瞬間、信雄が降伏を告げられると、SNSでは「1分で裏切る信雄!?」や「徳川には納得できない。しかし、無理な戦いを続けると誹謗中傷を受ける。仕方なく矛を収めるしかない。秀吉の巧妙さ」と、信雄と秀吉に対する評価が寄せられました。

数正の出奔の理由

説明不足な出奔の背景

そして、最も大きな「裏切り者」である数正の出奔ですが、その理由には諸説があり、はっきりとは分かりません。ドラマ『どうする家康』では、さまざまな説をミックスして描かれることがあります。今回も、「秀吉の力に感服した」という説と「家臣たちから孤立した」という説が組み合わさっているような雰囲気です。彼は敵の本当の規模を一人で知ってしまったため、自信過剰な家康とその家臣たちから孤立するのは、現代でもありそうなリアルな状況です。

SNSでも、「幕末に海外留学して、外国と日本の違いを実感した人と、国内だけを知って血気盛んになる人たちの意見の違いに似ていて悲しい」「数正への同情と家康への忠告として、みんなで大阪に行ってみない?」「数正は、家康を天下人にするために自ら出奔したのでしょうか?」など、数正の真意を推し量るコメントが溢れています。

裏切りの真意とは

実際には、数正は家康たちが秀吉と再戦をしようとする姿勢にあきれて、完全に見切りをつけたのでしょうか? しかし、数正が逃亡という不条理な行動をとった理由は、視聴者にはすぐに明らかでした。これは数正の嘘ではなく、家康たちの戦闘ムードを一気に消し去るためのやさしい裏切りだったのです。

実際にSNSでは、「『数正がいれば勝てる。でもいなかったらできない!』数正が家康を説得するセリフから、『じゃあ自分がいなければ家康も諦めるじゃん!』という最後のトリガーになってしまい、悲しいすれ違いだ」「数正は家康を天下人にするために自ら出奔したのですね」「守る方法はそれぞれあるでしょうが、これはこれでつらい」といったコメントが見られました。

数正の出奔に涙を流す視聴者も多く、彼の隠れた忠誠心に気づくことができるでしょうか? そして、数正はなぜ秀吉の家臣になってしまったのか、その運命はどうなるのでしょうか? 「どうする家康」と同時に、「どうなる数正」の行方にも、1週間心を揺さぶられることになりそうです。

『どうする家康』は、NHK総合で毎週日曜日の夜8時から放送されます。また、BSプレミアムでは夕方6時から、BS4Kでは昼12時15分から放送されます。次回の第34回「豊臣の花嫁」では、秀吉が家康に妹の旭や母の仲を送り込むことで、家康が戦うか従うかの究極の選択を迫られる様子が描かれます。

文/吉永美和子

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数正と家康の会話
数正の出奔