「プリゴジンの亡霊」におびえるプーチン氏…半年後の大統領選での再選は本当に「確実」なのか?

プリゴジンの亡霊
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ロシアの夏は短い。バルト海に面した第2の都市サンクトペテルブルクでは、8月末になると冷たい海風が吹き始め、日中でも分厚い上着が必要になることがあります。

プリゴジン氏の死とその裏に隠された真実

この町で生まれ育ったエブゲニー・プリゴジン氏が8月29日、郊外の墓地に埋葬されました。墓石の脇には彼が率いた民間軍事会社「ワグネル」の旗。

そして赤いバラに囲まれた遺影。参列者は家族や親しい友人ら20数人のみで、葬儀は40分で終了したそうです。

プーチン氏に逆らうと「非業の死」を遂げる

プリゴジン氏とワグネルの共同創設者とされるドミトリー・ウトキン氏が乗ったプライベートジェットの墜落原因はまだ分かっていません。

ロシアの独立系メディアや欧米の情報機関は、機内に仕掛けられた爆発物が空中で爆発したと推測しています。

米ホワイトハウスは「クレムリンには反対派を殺害してきた長い歴史がある。何が起きたかは明白だ」とロシア政府が関与した可能性を示唆しました。

プーチン大統領に逆らった人物は、これまでも非業の死を遂げてきました。

2006年、チェチェンでのロシア軍による人権侵害を告発したジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤ氏が射殺された。2015年には、プーチン政権によるクリミア併合などを糾弾してきた野党指導者のボリス・ネムツォフ氏が4発の銃弾を受けて死亡しました。いずれも実行犯とされるチェチェン人が逮捕されましたが、事件の黒幕はまだ解明されていません。

今回のプリゴジン氏暗殺の“捜査”でも、「ウクライナの工作員」や「反プーチン派武装勢力」が突如、“実行犯”として浮上するかもしれません。

プーチン氏の信条:「裏切り者」に対する厳しい姿勢

2018年の大統領選前に公開された2時間のドキュメンタリー映画『プーチン』。インタビュアーとプーチン氏との間に次のようなやりとりがありました。

「あなたは人の過ちを許すことができますか?」
「できます。ただし、すべてではありません」
「許せないことは何ですか?」
「裏切りです」

「裏切り者は絶対に許しません」…これはプーチン氏がかつて所属したKGB=国家保安委員会とその後継機関であるFSB=連邦保安局の「掟」とされています。

このような背景を考えると、プーチン氏が半年後の大統領選で再選されるのは本当に「確実」なのか、という疑問が生じます。

もちろん、真相は闇の中に隠れており、私たち一般の人々には分かりません。しかし、ロシア政治の闇には多くの人々が消えていき、恐れられています。

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