政治ジャーナリストの田崎史郎氏が4日、BS11「報道ライブ インサイドOUT」に生出演し、自民党総裁選の前倒しを巡る意思決定方式と、それが今後の政局に与える影響について深い見解を示しました。7月の参院選での惨敗を受け、事実上、石破茂首相への退陣勧告ともなる総裁選の前倒し実施が焦点となっており、その動向は広く注目されています。
前倒し総裁選の意思決定プロセスと「踏み絵」議論
自民党選挙管理委員会は、総裁選の前倒し実施を問う意思確認の書面を、8日までに党本部へ提出するよう求めています。この前倒し総裁選の決定には、党所属の国会議員295人と、都道府県連代表者47人の計342人の過半数となる172人以上の賛成が必要となります。
この意思確認投票方式で特に注目を集めているのが、前倒しに賛成した議員らの氏名が公表される点です。これは、現職の石破政権に対して明確な「ノー」を突き付けた議員の態度が白日の下にさらされることを意味し、党内では「踏み絵」とも呼ばれる厳しい状況が生まれています。この公開投票が、各議員の政治的立場にどのような影響を及ぼすのか、憶測が飛び交っています。
石破首相による「自由投票」の明確な保障
このような状況を予測していた田崎氏は、2日に開催された両院議員総会での一幕に注目しました。番組出演者に対し、「“大臣、副大臣、政務官が前倒しに投票しても、自由にできるのか?”という質問に対し、石破総裁が“これは自由に投票することを妨げない”と答弁があったが、これは確かか?」と問いかけました。
自民党総裁選前倒しについて語る石破茂首相
この問いに対し、自民党青年局長の中曽根康隆衆院議員は、「“妨げない”とおっしゃったと同時に、“とはいえ閣内の一員として、公務を最優先に”というお言葉もありました」と説明。さらに、尾崎正直副幹事長も「“妨げるつもりはない”とはっきりおっしゃっていました」と続き、石破首相が自由な投票を保障した事実を裏付けました。
「報復人事なし」の担保と今後の政局
田崎氏は、この石破首相の発言の意図について、「これによって、大臣、副大臣、政務官が8日に前倒しに賛成の署名、捺印を提出したとしても、それによって影響を受けたり、辞任を強いられたりすることはないという担保が取れた」と解説しました。これは、前倒し総裁選への投票によって“報復人事”が行われることはないという明確な認識を首相自身が示したことを意味します。
この首相の言葉は、党内における意思確認プロセスの公正性を確保し、議員らが自らの政治的信念に基づいて投票できる環境を整える狙いがあると見られます。今後の自民党総裁選の動向は、この「自由投票」の保障が党内力学にどのような影響を与えるかによって、大きく左右されることでしょう。
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