TR3搭載のF-35の受け取りが遅延し、97機の引き渡しとなる可能性が示唆される
米国防総省は、TR3の検証が完了していないため、F-35の受け取りを拒否していました。しかし、ロッキード・マーティンはトラブルが発生し、TR3の検証作業が遅れる可能性があるため、年内の引き渡し機数が156機から97機に減少することを発表しました。
F-35プログラムの進捗とTR3の重要性
F-35プログラムでは、4つのアップグレードが同時に進められています。それは、F-35の能力を強化するBlock4開発、システムインフラストラクチャーを刷新するTechnology Refresh3(TR3)開発、F135の能力を強化するEngine Core Upgrade(ECU)開発、電力・冷却システムの改良(Power and Thermal Management System/PTMS)です。今年1月、TR3搭載の試験機が初飛行に成功し、2024年4月に検証作業が完了する予定であることがアナウンスされました。
TR3の進化と問題の発生
TR3ではAN/APG-85やAN/ASQ-239、EOTS、DASなどが大幅にアップグレードされ、コアプロセッサやメモリユニットの刷新が行われます(コックピットディスプレイの変更も含みます)。TR3の演算能力は25倍に強化され、既に量産機にはTR3が組み込まれています。しかし、F-35ジョイント・プログラム・オフィス(JPO)はテストが完了していないため、年内の出荷機は受け取れないと発表し、テストが完了するまでTR3搭載機は保管されることになりました。
ICPのトラブルと影響
ICP(Integrated Core Processor)はTR3のハードウェアの一部であり、ロッキード・マーティンはICPのトラブルにより、検証作業が2024年4月から6月に延期される可能性があると発表しました。その結果、年内の引き渡し機数が97機(TR2機)に減少することになります。以前の予想では、2023年12月までに検証作業が完了する可能性もあったのですが、ICPのトラブルにより、年内の完了は困難となりました。これにより、59機分の代金が受け取れないため、業績にも影響が出る可能性があります。
まとめ
ICPのトラブルにより、F-35のTR3搭載機の引き渡しは遅れることが示唆されました。年内の引き渡し機数が97機に減少する見込みであり、業績にも影響を及ぼす可能性があります。このトラブルの解決に向けて、引き続き作業が進められることを期待しましょう。
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