川崎市内の小学校での「プールの水出しっぱなし」事故による損害賠償が問題となり、体育主任に対する同情の声が広がっています。
今年5月、川崎市内の小学校で、なんと5日間もプールの水が出し続けられるというミスが発生しました。その結果、約220万リットルの水が無駄に使われ、水道代は約190万円にも上りました。川崎市は、この水道代の半分である95万円を校長と教師に請求しました。
この件に対して、川崎市には「校長先生と本人にこんな大金を請求するのはかわいそう」「これじゃ教員不足がさらに加速してしまうのでは？」といった声が120件以上も寄せられたとのことです。
しかし、川崎市の福田紀彦市長は「教員不足を助長するという話と、この賠償の責任を誰が追うのかはまったく別の話」とはっきりと話しました。「責任を取らないといけないというのは、納税者である市民に対する責任でもあることは間違いありません」と説明しています。
法律事務所AZMORE大阪事務所の中川みち子弁護士によると、「教師に重大な過失がある場合は損害賠償請求することは可能です。今回の場合、ミスが重なっているので請求できると考えられますが、50パーセントを請求するのはやや多いと感じます。川崎市はミスが起こらないような防止策を講じたのか、市側の責任も考慮すべきです」と話しています。
元小学校体育主任の坂田聖一郎氏は、自身が3年間体育主任を務めた経験を持ち、「体育主任は本当に貧しい立場なんです。いや、ド貧乏くじですね。」「体育の先生が体育主任をやるわけじゃないんです。若くて残業しても体力に自信がありそうな人が当てがわれる傾向があるんですよ」と説明しています。
彼はこの事故について、「本当にかわいそう過ぎる」「体育主任をやりたくてやっているわけじゃない。こればかりは教員全員が不憫だなと思っていると思います」と同情しています。
タレントで俳優の副島淳も「学校側の校長先生と先生に半分負担させるのは、正直やりすぎだと思いました。」「川崎市側が施設にちゃんとお金を使い、ヒューマンエラーが起きないようにすることが最初にやらなければならなかったんじゃないかな」と問題提起しています。
また、市長が教員不足と賠償は別問題だと言ったことについては、「確かに、教師を目指す人はどんどん減ってくるだろうな。負担が大きいという報道もされている中での発言だったので」と述べました。
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