「メールやパソコン等をモニタリング…」
ビッグモーターが社員に送ったメールが、波紋を広げています。
メールのタイトルは「秘密保持に関する誓約書」です。
「パワハラ」や「会社の不正」が社員たちの証言で次々と明らかになる中、ビッグモーターは内部情報の保持を求める誓約書の提出を求めました。
メールには「(内部情報の流出で)当社に対する社会からの評価が必要以上に低下してしまう状況となっています」と書かれています。
メールに添付された文書では、秘密保持の範囲や調査方法などが詳細に記載されています。
「勤務中に知った業務に関する情報は全て秘密情報です」とあります。
さらに、「電子メールやパソコン等を確認、調査又はモニタリングすることがあります」とも記されています。
また、会社を辞めた後も秘密を守る必要があるとされ、もし秘密を漏らした場合は「懲戒処分や損害賠償請求のペナルティーを受けることになります」とも述べられています。
このメールを受け取った現役社員のAさんはFNNの取材に対して、「内部リークを恐れていることや、自分たちが犯した過ちを隠そうとしていることに疑問を感じます。強制的に誓約書を書かせる行為は、これまでのビッグモーターと何も変わりません」と話しています。
公益通報制度の事前抑制につながる可能性も…
こうした秘密保持の誓約書の提出を強制することについて、橋下総合法律事務所の溝上宏司弁護士は、「入社時にその判断をする権限が従業員にある段階で締結してくださいというのは、ありえると思いますが、すでに入社している従業員に何らかの不利益を課す場合は、大変問題のある行為だと言えます」と解説しています。
一方で、もし誓約書にサインしてしまった場合、法的な拘束力が発生する可能性も指摘されています。溝上弁護士は「それにより従業員の心理的影響は大きなものになるでしょうし、公益通報制度の事前抑制にもつながる可能性がある」と話しています。
ビッグモーター側はこの件について、「公益通報制度の動きを封じるためのものではない」とFNNにコメントしています。
[Image: ビッグモーターのメールに波紋が広がっています]