9月20日に日本で開幕するラグビーワールドカップ(W杯)に先立ち、自衛隊のラグビーチームも国の威信をかけた戦いに挑む。防衛省が同月9~23日に9カ国を招待して開く国際防衛ラグビー競技会だ。陸海の各自衛隊から選抜された選手は「もう一つのW杯」と意気込み、練習に励んでいる。
防衛交流を目的とした同競技会は、ラグビーW杯と同じ年にW杯開催国で開かれる。自衛隊の参加は2015年の英国大会に続き2回目。前回は予選リーグで3戦全敗を喫し、親善試合で1勝を挙げた。
今回はトーナメント戦で競い、敗退国は親善試合に回る。前回優勝のフィジーや、世界ランキング24位程度の実力とされるニュージーランドなどの強豪がそろう。いわゆる徴用工訴訟問題などで関係が冷え込む韓国も参加する。
日本チームは陸自船岡駐屯地(宮城県)や習志野駐屯地(千葉県)の隊員を軸とし、約1年前から任務の合間を縫って合宿や練習を重ねてきた。
防衛大学ラグビー部出身の中谷元・元防衛相は「体格で勝る相手に、日本は技術や俊足を生かしてトライを決めてほしい」と期待を寄せた。「ラグビーでは『ノーサイド』の精神が大切だ。競技会を各国との交流に生かしてほしい」とも語った。