ニュース裏表 平井文夫
ＦＮＮ（フジニュースネットワーク）と産経新聞が１６、１７の両日に行った世論調査によると、第２次岸田文雄再改造内閣の支持率は、前回からわずか2.6ポイント減の38.9％となりました。同時期に行われた朝日新聞の調査では微増、毎日新聞では微減となり、「内閣改造による政権浮揚効果はほとんどなかった」ということになります。
調査では、過去最多の5人の女性閣僚を任命したことを65.1％の人々が「評価」しており、朝日新聞も同様の結果でした。それにもかかわらず、「内閣改造を評価する」と答えた人はわずか33.3％にとどまりました。なぜでしょうか。
毎日新聞は興味深いアプローチで調査を行いました。女性閣僚の数が増えたことについて、「十分」「不十分」の二択に加えて「どちらとも言えない」という選択肢を加えた「3択」で尋ねています。その結果、23％が「十分」、28％が「不十分」を選び、49％が「どちらとも言えない」と回答しました。
つまり、一般の人々は女性閣僚の数が「増えた」ことを評価せざるを得ないという雰囲気があるものの、国民の本音はあまり関心を持っていないのかもしれません。
それよりも注目すべきは、ＦＮＮ・産経新聞の調査で58.7％が「評価しない」と答えた、小渕優子氏の選対委員長への起用です。青木幹雄元官房長官や森喜朗元首相が「どうしても」と推していたという話を聞いた人たちは多く、失望感を抱いたのでしょう。小渕氏を含む今回の人事は「パパのコネ」が過ぎるほど存在します。これは自民党の悪いクセです。
内閣改造は支持率を上げませんでしたが、世論調査からはいくつか岸田内閣への国民の「期待」が見えてきます。
例えば、福島第１原発の処理水の海洋放出に関して、福島県産などの水産物について尋ねたところ、「安心」「どちらかと言えば安心」と答えた人は計77.4％でした。これは堂々とした姿勢で取り組んでいる岸田首相に、国民も「連帯感」を抱いているということです。
また、ガソリン補助金の延長には66.6％が賛成しています。私は反対ですが、やはり国民の要望は強いのでしょう。
岸田首相は女性を増やして「ウケ」を狙うよりも、日本が本当にやるべきことをしっかりとやるか、あるいは物価高対策に頻繁に取り組むべきではないでしょうか。
ただし、2つの数字が気になります。国民民主党との連立入りについて、自民党支持層も国民民主党支持層も50％以上が賛成していること。もう1つは、毎日新聞の「岸田首相にいつまで続けてほしいか」という質問に対し、「早く辞めて」と「来年9月の自民党総裁選まで」という回答が合わさると76％に上がったことです。
つまり、支持率が上がらなければ解散できず、岸田首相の再選はないか、もしくは無理に解散して惨敗すれば国民民主党との連立入りがあり得るということでしょう。
その場合、最近私がよく書いている「玉木首相説」も、まったく不可能な話ではないかもしれません。（フジテレビ上席解説委員）
ソースリンク: 日本ニュース24時間
