ロシア側の拷問で痩せ細り、歯を失った捕虜たち…家族の女性「胸が締め付けられる思い」

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(画像提供: 日本ニュース24時間)

ロシアによるウクライナ侵略から24日で1年7か月が経ちました。しかし、まだ多くのウクライナ兵が捕虜としてロシア側に拘束されたままです。彼らの家族はその身を案じ、帰還の日を待ちわびています。

「靴下送って」1年以上音信不通

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(画像提供: 日本ニュース24時間)

東部ルハンスク州出身で、首都キーウに暮らすソフィア・チェラパノワさん(30)は、幼い頃からいとこのアルテムさん(25)と実の姉弟のように育ちました。

アルテムさんは2015年に故郷ルハンスク州を離れ、東部ハルキウの大学に進学しました。ウクライナ軍に所属するチェラパノワさんの夫の影響などで18年に軍に入隊し、偵察部隊で運転手をしていました。

昨年2月の侵略開始時、アルテムさんの部隊は南部マリウポリ近郊にいました。ウクライナ領土に侵攻するロシア軍に対し、部隊はマリウポリ市内のアゾフスタリ製鉄所に籠城することになりました。戦闘は激化し、5月にマリウポリはロシア軍に占拠されました。

占拠されてから間もない5月末、チェラパノワさんの電話に見知らぬ番号から着信がありました。それはアルテムさんでした。「ロシア軍に捕まり、(東部ドネツク州)オレニウカの拘置施設にいる。3か月ぶりにシャワーを浴びた。新しい下着や靴下を送ってくれないか」とのことでした。チェラパノワさんは送ることを約束し、「早く会いたい。待っているわ」と応じましたが、その後、連絡は途絶えました。

チェラパノワさんは電話が鳴るたびに「アルテムかもしれない」と思い、体は震えました。しかし、それがアルテムさんとは違うと分かると、落胆し、「苦しくて息ができない気分」になったそうです。彼女はいてもたってもいられず、捕虜の家族らでつくる支援団体「鋼の女性たち」に加わりました。

今年1月、ウクライナから帰還した兵士から「アルテムさんを見た」との連絡がありました。そして、7月には赤十字社によって、アルテムさんがロシア南部ロストフ・ナ・ドヌーの収容所にいることが確認されました。

チェラパノワさんは「鋼の女性たち」のスタッフとして、帰還したウクライナ兵たちを迎えてきましたが、ロシアによる拷問のため、皆痩せ細り歯を失っていました。彼女はアルテムさんも同じような目にあっていると思うと、胸が締め付けられる思いになるのだそうです。

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