菅長官「ロシアと協議して出身地特定」 遺骨取り違え


会見に臨む菅義偉官房長官=30日、首相官邸(春名中撮影) 

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は30日午前の記者会見で、旧ソ連に抑留された日本人のものとして収集された遺骨をめぐり、取り違えを指摘するDNA型鑑定結果が出たにも関わらず公表していなかったことについて「遺骨の出身地特定は遺骨収集の相手国と協議の上で決定されるべきもので、鑑定結果の報告があった時点では公表していなかった」と説明した。

 その上で「鑑定結果を踏まえ、厚労省で遺骨の出身地を特定するために必要な相手国(ロシア)との協議を速やかに進める」と語った。

 今後の遺骨収集事業に関しては「DNA型鑑定の指標などを含め、有識者による検討会を厚労省で開催しており、その結果も踏まえて引き続き適切に事業を推進していく」と話した。

 遺骨は先の大戦後に旧ソ連に抑留され、シベリア地域で死亡した日本人のものとして、厚生労働省の派遣団が5年前に収集し、持ち帰った16人分のもの。昨年8月に全ての骨が日本人のものではない、もしくは日本人のものではない可能性が高いとのDNA型鑑定結果が出ていた。



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