好調な韓国とドイツ、成長率低下の背後に潜む産業集中と中国依存

韓国とドイツの経済が厳しい状況に立たされています。この両国の経済構造が似ているためです。韓国は半導体産業に、ドイツは自動車産業に大きく依存しています。特定の産業に頼って経済が成長したことで、弱点が露呈したとの見方もあります。また、両国とも中国への輸出に大きく依存しています。中国の景気低迷が直接的に景気減速につながっています。

韓国とドイツの経済が最近失速しています。経済協力開発機構(OECD)は、韓国の今年の経済成長見通しを1.5%と発表しました。6月の見通しと同じです。一方、ドイツは今年の成長率がマイナス0.2%と予想されており、マイナス成長に転じる可能性があります。アメリカや日本はそれに対して成長見通しを上方修正しました。高金利の影響で、輸出中心の国々は苦境に立たされているとの評価もありますが、それだけでは説明がつきません。同じく輸出中心の経済構造を持つ日本の成長率が、今年は25年ぶりに韓国を上回る見通しです。

ドイツの製造業の割合は、製造業が総付加価値の20.8%を占めるというデータがあります。これはG7平均の14.1%よりも高く、米国の10.7%や英国の9.8%の2倍に相当します。これは自動車など製造業への依存度が非常に高いことを意味しています。しかし、高金利や緊縮政策により需要が減少すると、製造業の製品購入力が低下してしまいます。また、ドルの価値が上がったため、原材料の輸入コストも増加しています。

特に自動車への依存度が高いです。韓国貿易協会によると、昨年のドイツの輸出額のうち、自動車が占める割合は10.6%に達しました。部品を含めると15%に近づくとの分析もあります。自動車の販売不振は景気減速に直結する構造です。ドイツはエンジン車に特化しすぎたため、電気自動車産業でも遅れを取っています。市場調査機関のSNEリサーチによると、今年1月から6月までの電気自動車シェアは、中国のBYDが20.9%、アメリカのテスラが14.4%となっています。ドイツのフォルクスワーゲンは6.7%で4位です。

最近、中国の電気自動車に対する補助金について欧州が調査を始めたのも、危機感を感じているためです。貿易協会のチャン・サンシク動向分析室長は、「ドイツ最大の黒字産業であった自動車が最大の赤字産業に転じるという予測もあります。EUが中国からの電気自動車輸入割合を現在の5%程度から2030年には20%まで増やすとの予想もあります。ドイツの製造業競争力が低下している状況で、シェアまで奪われる可能性があると言えます」と述べています。

経済構造がドイツと似ている韓国にとって、これは他人事ではありません。韓国の製造業の割合は2021年に27.9%と、ドイツよりも高いです。また、半導体産業への依存度も高いです。総輸出で半導体が占める割合は2020年に19.4%、2021年に19.9%となっています。半導体の好調な状況は貿易収支の黒字につながっていましたが、今年1月から8月までの半導体輸出の割合は14%にまで減少しています。半導体輸出の減少が続いているため、輸出全体の伸びも鈍化しているのです。

延世大学経済学部のキム・ジョンシク名誉教授は、「半導体のほかに、バッテリー、バイオなど、韓国の輸出を分散し、責任を持つ産業育成が必要です」と話しています。

中国への依存度も高い点でもドイツと韓国は似ています。国連国際貿易統計によると、昨年のドイツの輸出額のうち、中国が占める割合は6.7%で、第3位でした。一方、韓国の輸出額のうち中国が占める割合は22.8%に達しており、第2位のアメリカの16.1%と比べても大きな差があります。今年1月から8月までには19.7%にまで減少していますが、これは輸出の多角化ではなく、中国の景気低迷が大きな影響を与えた結果です。

梨花女子大学経済学科のソク・ビョンフン教授は、「中国の景気が予想よりも低調だったため、韓国とドイツの経済に直撃弾が加わったと言えます。中国だけでなく、東南アジアや中東など、新たな輸出先の多角化が必要です」と話しています。

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