ロシアとウクライナ、戦争の長期化に備える動きを示す

ロシアのショイグ国防相は、ウクライナ最高議会の国防委員会で書記を務めるコステンコ氏と共に、戦争が2025年まで続くと予想しました。この予想に基づき、両国は戦争の長期化に備えるための動員強化を示唆しています。

夏の戦いを終えたロシアとウクライナ

ロシアのショイグ国防相は、特に近代的な兵器の供給や特別軍事作戦の経験を考慮した訓練改善により戦闘力の向上を図っていることを発表しました。彼はまた、行動計画を実行することで2025年までに目標達成が可能になると述べました。一方、ウクライナ側はこの目標達成がウクライナの非武装化を指している可能性が高いと解釈しています。つまり、ロシア側の発言は「この戦争が長期化する=少なくとも2025年まで続く」と示唆し、ウクライナ打倒を達成するための準備に取り組めという意味だとのことです。

ロシア軍
(出典:Минобороны России)

ウクライナ側も、ロシア軍の分断を目指す反攻作戦の目標達成に向けて取り組んでいます。しかし、具体的な達成時期はまだ不明です。ウクライナ最高議会の国防委員会で書記を務めるコステンコ氏は、「軍事戦略が変更されれば現在の動員活動が強化される可能性がある。政府はロシア軍との戦いが長期化する可能性を国民に周知するべきだ」と述べました。

コステンコ氏はさらに、「ロシアとの戦いは経済戦争や資源戦争といった新たな段階に突入し、我々も今後の軍事戦略や新たな行動を理解しなければならない。どれだけの部隊を新たに創設する必要があるのか、どれだけの部隊を再編する必要があるのか、ロシアがどんな戦略で挑んでくるのか、これに対応した我々の軍事戦略がどんなものか判明(一方向に反撃するのか、複数方向に反撃するのか、国境地域でロシア軍を封じ込めるのか)すれば具体的な動員強化について話すことが出来るようになる」と指摘しています。

コステンコ氏
(出典:Роман Костенко)

まだ国防委員会も軍の戦略変更については知らされていないというコステンコ氏の前置きのもと、「政府は動員政策を変更することで『ロシア軍との戦いが長期化する可能性があり、その負担を現在の体制だけで背負いきれない』と国民に周知すべきだ」と述べています。恐らく彼は「反攻作戦の目標達成には時間がかかるため動員を強化して、『戦いが長期化するという現実』を国民に理解させるべきだ」と言いたいのでしょう。

ウクライナ軍は依然としてバフムート奪還を目指していますし、ロシア人は南部での大規模作戦を予想しているようです。ウクライナ大統領のゼレンスキー氏も、訪米中にバフムートを含む3つの主要都市の解放を明言しました。

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

(※記事の元のリンク: https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russia-predicts-fighting-will-continue-until-2025-ukraine-suggests-increasing-mobilization-as-fighting-drags-on/