ロシア兵に殺されないため「どの家も酒を置いている」…ウクライナ4州併合1年、略奪日常化

ウクライナ東部ドネツク州でロシアの攻撃を受けた民家

ロシアのプーチン政権がウクライナ東・南部4州を一方的に併合して、早くも1年が経過しました。しかし、占領地域ではロシア兵による略奪が日常化しており、住民たちは恐怖に怯えながら生活を送っています。

ロシア兵をおだやかにするための“一つの秘策”

「どの家も、ロシア兵をおだやかにさせるために飲ませる酒だけは少し置いている。自分が殺されないためだ」と、ドネツク州の農家、ボフダン・アンドリエンコさん(60)は語っています。彼は、「電話は危険すぎる」という理由でSNSで取材に応じています。略奪行為が繰り返される中、家には価値のあるものは何もありません。何もないと殴られる危険があるため、彼は酒を提供するのです。

ザポリージャ州の元住民はウクライナ住民にロシアの身分証取得を強制する「ロシア化」を証言
(写真:読売新聞)

ウクライナ4州の併合宣言から1年経過

昨年9月30日、ロシアは東部ドネツク、ルハンスク、南部ヘルソン、ザポリージャの4州を一方的に併合すると宣言しました。ウクライナは大規模な反攻勢を始め、4州では今もなお戦闘が続いています。プーチン大統領は30日、ビデオ声明で「数百万人の住民が自らの意思で祖国と共にあると選んだ」と述べ、併合を正当化しています。

プーチン氏は29日、年2回の徴兵のうち、秋季徴兵に関する法令に署名しました。タス通信によれば、4州の住民も初めて徴兵の対象となり、ロシアの支配がさらに強まるものと予想されています。(ワルシャワ 倉茂由美子)


出典元:日本ニュース24時間