バイデン政権、ウクライナ支援のための資金として16億ドル+52億ドルを持っている

ウクライナの安全保障を支援するため、バイデン政権はなんと52億ドルの資金を持っていると報じられました。国防総省のマイケル・マッコード会計監査官は、ウクライナ支援資金はほぼ使い尽くされ、ウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)に割り当てられた資金も枯渇してしまったと述べました。また、大統領権限(PDA)に割り当てられた16億ドルの資金も不十分であり、防空システム向けの弾薬や砲弾の供給にも影響が出る可能性があると訴えました。

この報道によれば、USAIの資金は使い果たされ、ウクライナへの武器供与後に国防総省の在庫を補充するための資金(PDAに配分された資金)には16億ドルしか残っていないとのことです。政府当局者はこの資金では支援を維持するには不十分であると述べています。しかし、注目すべきは、会計ミスにより返還された約52億ドルの資金がまだ残っていることです。

この報道によれば、約52億ドルの資金はウクライナに兵器を送ったり、その他の安全保障支援を提供するための資金として使われる予定です。ただし、政府当局者はこの資金が数ヶ月しか持たないと考えているようです。恐らくバイデン政権は、会計ミスにより返還された資金を「政権の口座」にプールしているのでしょう。

バイデン政権が持つ資金のうち、16億ドルは国防総省のPDA口座に残っていますが、約52億ドルは国防総省ではなく「政権の口座」にプールされている可能性が高いです。もし国防総省の口座に移されれば、バイデン政権はウクライナへの支援として、過去6ヶ月間に送った武器と同等のものを提供できることになります。

ただし、今後のウクライナ支援には過去6ヶ月に含まれていなかった「F-16運用するのに不可欠なロジスティクス構築のための投資」や「ATACMS提供」が追加される予定です。16億ドル+52億ドルという手持ちの資金だけでは限界があります。ウクライナが必要としているのは、「米国が今後もウクライナ支援を継続するという政治的なシグナル=議会による追加資金の承認」です。

バイデン政権はウクライナ支援のための資金をほぼ使い尽くしたことを民主党に警告しています。ウクライナ支援資金はつなぎ予算から除外され、バイデン政権は議会に計400億ドルの追加資金を要求しています。ウクライナ側は、1度も使用されなかったウクライナ・レンドリース法の延長を要求しています。

バイデン政権のウクライナ支援には多くの政治的な要素が絡んでいますが、重要なのはウクライナが必要とする支援を継続するためには議会からの追加資金承認が不可欠であるということです。

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army photo by Eugen Warkentin

参照リンク:日本ニュース24時間