司法試験に7度落ちた作者が足で集めた、聞いた、泣いた裁判長のグッとくるエピソード

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説諭を求めて全国を飛び回る長嶺超輝さん

長嶺超輝さん著「裁判長の泣けちゃうお説教」

ライターの長嶺超輝さん(48)が「裁判長の泣けちゃうお説教」(河出書房新社、979円)で裁判長のグッとくるエピソードを30話に厳選して紹介しています。大学時代のゼミの教授の一言をきっかけに、司法試験を7度受験も全て不合格と落ち込みました。しかし、法律に詳しいことを強みにして、「司法」に関わり続けています。(太田 和樹)

司法官の心に響くエピソード

裁判官は、スーパーで万引きをしたシングルマザーやリフォーム詐欺を犯した男性の息子といった被告人に対して、温かな「説諭」を行うことがあります。長嶺さんは、判決文には書かれていない裁判官の「説諭」を新聞やデータベースで宝探しのように調べ上げ、実際に傍聴も行いながら、「裁判官のちょっといい話」をまとめ上げました。

泣けて、心に残る説諭

長嶺さんは、著書で裁判官の説諭を紹介しています。例えば、ギャンブル依存症の被告人に対して、室橋雅仁裁判官が自身の体験を語り、更生を願っています。通常、裁判官は自分のことは言わないため、室橋さんの真摯な姿勢に感銘を受けたそうです。

裁判官の説諭は稀な存在

当然ながら、全ての裁判官が説諭を行うわけではありません。長嶺さんも言いますが、「9割以上の裁判はつまらないですから。説諭を言いそうな裁判官が言わなかったりしますし、9割方『反省しなさい』などで終わります。」説諭があった時はとても嬉しく、人々に知らせたいと思います。

裁判官という存在

裁判官の中で、長嶺さんが特に尊敬する室橋雅仁裁判官は、現在、東京高裁に所属しています。しかし、東京高裁では裁判長の両脇に座る陪席裁判官であるため、説諭を行うことはできません。長嶺さんは、室橋さんが高裁の裁判長になってほしいと願っています。

将来への展望

長嶺さんは、現在多忙なスケジュールをこなしながらも、裁判や法律に関連したYouTubeの活動にも挑戦したいと考えています。裁判傍聴ガイドや法律の起源について紹介するなど、様々なコンテンツを通じて法律を身近なものにし、興味を持ってもらいたいと思っています。

【長嶺超輝(ながみね・まさき)】

長崎・平戸市生まれの長嶺超輝さんは、48歳。九州大学法学部を卒業後、司法試験を受験しましたが、7度連続で不合格となりました。その後、ライターとしての活動を開始し、「裁判官の爆笑お言葉集」でデビューしました。その後、様々な著書を発表し、才能を発揮しています。

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