九州最大級アリーナ周辺の無断駐車問題、周辺店舗が悩む

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九州最大の多目的施設「SAGAアリーナ」(佐賀市)が開業してから約5カ月が経ちました。しかし、アリーナ周辺では駐車場不足から無断駐車が相次ぎ、店舗の売り上げにも影響が出ています。県は徒歩やバスでの来場を促していますが、来年の国民スポーツ大会(国スポ)での混乱が心配されています。

アリーナ近くの店舗も困惑

アリーナ近くの小売店の駐車場には「佐賀アリーナご利用の無断駐車は固くお断りします」という張り紙がありました。店長によると、アリーナ開業当初は無断駐車で駐車場が混雑し、店内の客の数と車の数が合わないことが頻繁に起きているそうです。景観の面でも問題があり、店舗側は駐車場を撤去したいと考えています。

この問題は有料駐車場と提携している店舗にも波及しています。JR佐賀駅前の商業施設「コムボックス佐賀駅前」に入る小売店では、アリーナでイベントが開催される日に駐車場が満車となり、客が駐車できずに苦情が寄せられています。駅前の駐車場を利用することができますが、大型イベントの際には来店者が駐車場に停められず、売り上げにも影響が出ているとのことです。

県側はアリーナ整備時に、近くに病院や住宅街があり、出入り口や周辺での渋滞を避けるため、特別な用途以外の駐車スペースを設けなかったと説明しています。

啓発強化を行いながら解決を目指す県

県側では、徒歩やバスでの来場を呼びかけるほか、近隣の大型商業施設と提携し、「パーク&ライド」の利用を促しています。しかし、周辺店舗での無断駐車は非常に残念な状況だとしています。駐車場の増設や臨時駐車場の設置計画はなく、改善には啓発強化に期待するしかないようです。

駐車場シェアリングサービスの活用も広がる

一方、民間による駐車場シェアリングサービスの利用が広がっています。大阪市を拠点とする「akippa(あきっぱ)」は、アリーナ開業以降、半径1キロ内に100台以上の駐車スペースを確保しています。

特に人気アイドルグループ「NiziU」のライブなど人気イベントでは、徒歩20~30分かかる駐車場でさえ稼働率が9割を超えたそうです。「周辺に駐車場がないと困っている状況がひしひしと感じられる」と、同社の担当者は話しています。

アリーナを訪れた熊本県菊池市の男性(73)は、アリーナのバレーボール大会に孫を応援するために来場しました。しかし、事前に所属チームから駐車場は利用できないと聞いたため、近くの高校に車を止めたそうです。「来年の国スポにも来る予定で、県外から車で来る保護者も多いかもしれません。その際に周辺に駐車できるか心配です」と話しています。

この問題が解決するように、県と関係者が一丸となって取り組んでいくことが求められています。

(西日本新聞社)


日本ニュース24時間による記事です。


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