横田めぐみさんの誕生日に寄せて/「国民大集会」に参加した時のことなどを書きました(TNW)アーカイブ
更新:2023/10/5
横田めぐみさんの誕生日に寄せて
去る10月1日、横田めぐみさんの誕生日を前にご家族のかたが集いました。
2022年10月1日
45年前、中学1年生のときに北朝鮮に拉致された横田めぐみさんが今月5日に58歳の誕生日を迎えるのを前に、めぐみさんの家族も出席して集いが開かれ、母親の早紀江さんは「再会して家族で喜び合える日が一日も早く来てほしい」と訴えました。
1977年、13歳のときに新潟県から北朝鮮に拉致された横田めぐみさんは、今月5日に58歳の誕生日を迎えます。
誕生日を前に1日、川崎市では家族も出席して集いが開かれ、母親の早紀江さん(86)は「めぐみは学校の帰りに煙のように消えてしまいましたが、北朝鮮で歯を食いしばって、早くみんなに会いたいと願いながら毎日を過ごしていると思います」と話しました。
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10月5日は、横田めぐみさんの誕生日です
安倍元総理の国葬儀が行われた日、献花に行ったあと、
予定より早く家に着いた私は、国葬儀の中継を見ていたのですが、ある場面で、時が止まったような感覚に陥りました。
今となっては、あまりに有名な菅前総理の弔辞ですが、その一節を聞いた時、あることを思い出したからです。
「やかましかったセミは、いつのまにか鳴りをひそめ、高い空には、秋の雲がたなびくようになりました。 季節は、歩みを進めます。 あなたという人がいないのに、時は過ぎる。無情にも過ぎていく」
この言葉を聞いた私の頭に、横田早紀江さんの言葉がよぎりました。
テレビで聞いたのか、「拉致被害者国民大集会」(後述)の会場だったのか、記憶が定かではありませんが、早紀江さんは、確かにこう言いました。
「めぐみちゃんがいないのに、世の中は普通に回っている。普通に時間は過ぎていく・・・」と。
23歳の時に父を亡くしたことを記事に書いたことがありますが、全く同じ感覚だったことを思い出しました。どんな親しい人がいなくなっても世の中は当たり前のように回っていく。菅前総理の言葉を通して早紀江さんの悲しみ、苦しみを思い出し、また自分の気持ちをそれに重ねていました。悲しく、不思議な感覚です。
誤解が生じるといけないので、書いておきますが、横田めぐみさんは生きておられます。菅前総理や私自身の近しい人がいない(亡くなった)という意味と、横田早紀江さんのいない(そばにいないという意味で、めぐみさんは生きている)という感覚は似ていても、状況はまったく違います。念の為。
拉致被害者を知るようになったきっかけ
私がこの国民大集会に参加するようになったのは、肉親の行いがきっかけです。
まだ拉致自体を国民のほとんどが知らなかった頃、肉親は新聞の片隅に載っていた記事を見て、日本に北朝鮮から拉致された拉致被害者がおり、支援を求めていることを知ります。新聞に載っていた住所に手紙を書き、わずかばかりの支援金を送りました。
すると、横田ご夫妻から丁寧な手紙が届いたそうです。それからも何度かやりとりを続け、横田ご夫妻さんからお礼の電話が来ることもあったと言います。一部掲載します。(この画像の使用はご遠慮ください。お願いいたします)
手紙はいつもお礼の言葉だけでなく、こちらの健康や状況を心配してくださる言葉が添えられていました。こちらの心配などをしている状況ではないにも関わらず、必ずそういった言葉が添えられていたと聞きました。
しかし当時、私は拉致被害に関することを他人事として受け止めてしまい、またそういうことは政府の役目だと興味を持ちませんでした。情けない話しです。。。
そして国民大集会に参加したのはだいぶ後になってからでした。
「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」平成28年9月17日
この頃にはもう国民のほとんどが拉致被害について知るようになっており、私も、前述した肉親の影響を少しずつ受け、わずかばかりの支援金を送ったり、ブルーリボンバッジを買ったりしていました。
そしてある時国民大集会があることを知り、参加しようと思い立ちましたが、どこを探しても予約するサイトが見当たりません。そこで意を決して事務局に電話したのですが。
私「◯月◯日の国民大集会に参加したいので、席の予約をお願いいたします」
事務局の方「ありがとうございます。ぜひお越しください」
私「席の予約はどうやったら良いのでしょうか。満席になってしまうと入れないと思うので」
事務局の方「・・・そうですね。いつも満席になるくらい来てくれるといいのですが・・」
私はすべてを悟って電話を切りました。
会場は東京都千代田区(永田町駅)近くの、シェーンバッハ・サボー。会場の定員は1000人。
行った方はわかると思いますが、横長の会場で、壇上には国会議員や拉致被害者等の関係者。そして、席の前から数列は地方議員や関係者で埋まりますので、一般客は800人弱です。
総理大臣以下、拉致担当相以下、国会議員が何人も参加する「国民大集会」が、1000人(実質800)すら満席にならないのが実情だったのです。
総理大臣は安倍晋三氏、主催者は平沼赳夫氏。救う会の会長西岡力氏、山谷えり子氏、中山恭子氏らが名を連ねています。
「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」令和元年5月19日
主催者は平沼赳夫氏から、古谷圭司氏(総裁選、高市さんの選対委員長)へ。安倍総理、菅拉致問題担当相。山谷さん、中山さんはいつも参加されていました。司会は櫻井よしこ氏に代わっています。
確か、この回だったと思います。家族会の訴え(下記進行表)のとき、増元照明さん(拉致被害者増元るみ子さんの実弟、「家族会」の元事務局長)が、野党議員のスピーチを批判をしました。
「野党議員は一括帰国と言うが、ほとんどの議員がブルーリボンバッジさえつけていないではないか。本当に救う気持ちがあるのならバッジくらいつけてほしい。自民党含めて国会議員全員バッジをつけるくらいの国会決議をしてほしい」と。
会場は寂(せき)として声無し、静まり返ったことを覚えています。
(司会の櫻井よしこさん)
国民大集会に参加するたびにバッジを買って、親類や知人に配ったりしていました。今手元に残っているものです。
令和元年に参加した後、コロナのため集会が自粛になり、それからは参加できていません。参加できていないのはコロナのせいだけではありません。何度参加しても事態は動かない、回を重ねるごとに虚しさ、無力さを感じてきたのが正直なところです。
時々、#拉致被害者の即時一括帰国を求める・・・というようなツイートがタイムラインに流れてきます。しかし、そのツイートも容易にリツイートできないでいます。もちろんリツイートした方が良いに決まってはいるのですが。そんな資格が自分にあるのかとさえ思ってしまうのです。それをすることによって、何もできていない自分に免罪符を与えているような気がして逡巡してしまうのです。やるせなさ、情けなさ、忸怩たる思いが今もあります。
拉致問題解決の実現は外交ではなく軍事力
北朝鮮問題が焦点となる2017年9月19日の国連総会で、アメリカのトランプ大統領が初めて演説し、「北朝鮮を完全に破壊する」との表現で強く警告した上で、拉致被害者にも言及しました。トランプ大統領は世界の首脳らを前に北朝鮮への軍事行動の可能性を高らかに宣言しました。
トランプ大統領「自国や同盟国の防衛に迫られればアメリカは北朝鮮を完全に破壊するしかなくなってしまう。“ロケットマン”(金正恩委員長)が自殺行為をするようなものだ」と述べたからです。
また、拉致被害者の横田めぐみさんについても言及し、北朝鮮の非道さを強調しました。 トランプ大統領「北朝鮮が日本人の13歳の少女を誘拐し、スパイの日本語教師として奴隷にしたとわかっている」(日テレ)
その後、2018年にトランプ大統領は、反政府行為罪などで拘束され、労働収容所に勾留されていた3人の米国人を北朝鮮から取り戻しました。トランプ大統領が北から取り戻すことができたのは、軍事力が背景にあることは明白です。
しかるに岸田氏は、核を保有する北朝鮮に対抗する機会、ロシアの侵略という核議論を進める絶好の機会を自ら潰し、わざわざNYまで行って核廃絶を呼びかけました。
そして昨日、その核を保有する北朝鮮は東北を超えて太平洋にミサイルを着弾させました。
この人は、拉致問題を解決するどころか、日本人を護ることすらしていません。お花畑な左派は外交がーと言いますが、外交は軍事力に裏打ちされるのです。これは常識以前の話しです。
現状、残念ながら北との対話は進むどころか後退しています。もし、拉致問題解決が進むのとすれば、憲法改正がなされて、9条2項が丸ごとなくなり、自衛隊が国防軍となり、法的に防衛のための軍事行動が可能となり、さらに国を護るためには軍事力をも行使するという決意あるリーダーが存在した場合だと思います。バイデンー岸田では絶対に無理ですので、1日も早く政権交代し、真のリーダーが現れることを願います。
横田めぐみさん、改めて、お誕生日おめでとうございます。横田めぐみさんはじめ、拉致被害者及び特定失踪者全員の1日も早い帰国を祈念いたします。