ウクライナとロシアの電力を巡る戦い、今年の冬は昨年の再現で終わらない

ウクライナとロシアの間で繰り広げられるエネルギーを巡る戦いが、今年の冬も再び勃発する可能性が高まっています。ウクライナのゼレンスキー大統領は、6日に「ロシアが冬に再びエネルギーインフラへの攻撃を試みるだろう」と警告しました。ウクライナはドイツやスペインなどのパートナーと連携し、防空システムの提供やエネルギー設備の支援など、様々な措置を講じています。

ウクライナの取り組み

ゼレンスキー大統領は、「冬にエネルギーインフラを守るため、ウクライナは積極的な協力をしている」と述べました。具体的には、ドイツとの協議により追加のパトリオットシステムが提供される予定であり、スペインともホークシステムやエネルギー設備の支援に合意しました。また、イタリアとも新たな安全保障パッケージについて話し合っているとのことです。

ロシアの準備

ロシアは冬に向けて様々な武器を準備している可能性があります。米当局者によると、ロシアはイランの協力を得て無人機工場を建設し、大量の無人機を供給する計画を進めているとのことです。9月下旬までに、従来とは異なる特徴を持ったShahed-136という無人機が発見され、これはロシアで製造されたカスタムバージョンである可能性が高いと言われています。

被害の深刻さ

ウクライナのエネルギーインフラは昨年よりも甚大な被害を受けており、被害額は88億ドルと見積もられています。国連によると、ウクライナの発電能力は侵攻前と比べて約半分に減少し、約37GWの施設のうち19GWが破壊、損傷、または占領されていると推定されています。

冬の厳しさ

ウクライナの最大のエネルギー企業であるDTEKによると、「被害が甚大なため、まだ復旧には時間がかかるでしょう。そして、復旧したエネルギーシステムの信頼性も昨年よりも低くなるはずです」とのことです。また、送電システムを運営するウクレネルゴも「復旧した送電網は冬場の需要に応える準備ができていますが、エネルギーシステム全体の信頼性は低く、予備容量も少ない」と述べ、厳しい冬を予測しています。

ウクライナの決意

ウクライナ国防省情報総局のブダノフ中将は、「再びエネルギーインフラへの攻撃が行われれば報復する」と表明しています。したがって、ロシアもエネルギーインフラに問題を抱える可能性があります。今年の冬は、昨年と同様の状況にはならないでしょう。

ウクライナとロシアの電力を巡る戦いは、世界中の注目を集めています。冬の厳しい状況にどのように立ち向かうのか、今後の展開が注目されます。

ソースリンク:日本ニュース24時間