ウィリアム・ダドリー 前ニューヨーク連邦準備銀行総裁
【マラケシュ時事】政策提言を行う米非営利団体「ブレトンウッズ委員会」議長のウィリアム・ダドリー前ニューヨーク連邦準備銀行総裁は12日、時事通信のインタビューに応じ、金利高止まりの長期化が「新常態」になると指摘しました。
金利高止まりとは
金利高止まりに関しては、モロッコのマラケシュで開催中の国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会で「既に弱い世界経済の成長に追い打ちをかける」と懸念する声が上がっています。
ダドリー氏の見解
ダドリー氏は、米経済は「はるかに活力があり、労働市場の需給も依然明らかに逼迫(ひっぱく)している」と分析。インフレ圧力が根強く、「超低金利時代に戻ることはない」と断言しました。その上で、金利高止まりという「新常態に人々が慣れていく調整プロセスがある」と予想しています。
FRBの予想
長期金利の指標となる米国債10年物利回りは今月、一時約16年ぶりの高水準となりました。ダドリー氏は「FRBの政策が効いている」と指摘し、金融環境が順調に引き締まる中、FRBは11月の次回会合で「利上げをしない」と予想しています。
FRBの追加利上げを巡る見方
FRBは「年内あと1回」の追加利上げを想定しています。しかし、ダドリー氏は「政策金利のピークを目の当たりにしている可能性が十分ある」と述べ、FRBが年5.25~5.50%の現行水準で利上げを打ち止めるとの見方を示唆しています。
経済見通しの不透明さ
ダドリー氏は、長引く全米自動車労組ストや学生ローン返済再開、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘激化を踏まえ、経済見通しは「今後2カ月ほど非常に不透明だ」と言及しました。「FRBが(利上げを)もっとやりたくなるような環境ではない」と語っています。
この記事の内容は、ウィリアム・ダドリー前ニューヨーク連邦準備銀行総裁の見解に基づいています。金利高止まりが「新常態」になるとの予想や、FRBの追加利上げに関する見方など、興味深い情報が盛りだくさんです。
ソースリンク:日本ニュース24時間