「藤井聡太八冠の偉業に感銘!杉本師匠が見た“最終盤”」

杉本師匠の感想

藤井聡太八冠(21)が史上初の「八冠」を達成したことは、将棋界にとって歴史的な瞬間でした。この快挙を祝うため、地元・名古屋で凱旋会見が開かれました。そこで藤井八冠の師匠である杉本昌隆八段が、その感想を語ってくれました。対局の翌日、杉本八段はCBCテレビ「チャント!」の大石邦彦アンカーマンのインタビューに答え、大逆転劇をどのように見ていたのかを明かしました。

勝敗を分けた“あの一手”

藤井八冠の一手

永瀬拓哉前王座がリードしていたまま最終盤に突入しましたが、そこで何が起きたのでしょうか?杉本八段は語ります。「本当の最終盤で永瀬前王座にミスが出てしまった。でも、それはすごく難しい局面で、もうミスとは言えないレベル。それを藤井八冠がとどめた。そこで今度は藤井八冠にミスが出た。再び永瀬前王座が勝ちになった。もうこれは99対1くらいで永瀬前王座が勝ちだと誰しも思った。でも最後の最後で痛恨の敗着が永瀬王座に出てしまった。そして最終的に藤井八冠が誕生したのです」とのことです。

永瀬前王座は、九分九厘の勝利を収めていたそうですが、一つの手を打った瞬間、「うわ~」と悔しそうな表情を浮かべたそうです。この瞬間について杉本八段は言います。「本人も、すぐに気づいたはず。一手1分だから、秒読みの時は見逃してしまったけど、指した直後に『あ、こっちが正解だった!』と気づいたはず。あれは見ていて、気持ちが手に取るようにわかるので。自分たちもよくあるんです。指した瞬間に『あ、こっちが正解だった』とわかるんですけど、もう取り返しのつかないミスになってしまって、あれが勝敗を分けましたね」と語りました。

杉本師匠の見解

藤井八冠と杉本師匠

杉本師匠がご自身の一手を打っていた場合、結果は変わっていたのでしょうか?杉本八段はこう答えます。「決まっていました。でも第三者だとわかるんですけど、対局者は朝9時からずっと10時間以上対局している。そして目の前にいるのが、藤井八冠。そのプレッシャーというか重圧というのは、対局者しかわからないんです」と言います。

時間のプレッシャーや藤井八冠の存在によって、一手をミスしてしまったのでしょうか?杉本八段は言います。「第三者が『あの局面なら自分でもわかるよ』と言う方がいるが、対局者にならないとあの気持ちはわからない」とのことです。

杉本師匠の貴重なコメントから、藤井聡太八冠の偉業とその背後にはいかに厳しい戦いがあったのかが伝わってきました。将棋界において、これまでにない新たなる時代の幕開けとなった藤井八冠の活躍に、ますます注目が集まることでしょう。

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※参照元: Yahoo!ニュース

※画像提供: 日本ニュース24時間