独ブックフェア、イスラエル支持表明 イスラム教国が参加取りやめ

ブックフェアの様子

ドイツのフランクフルトで開催される世界最大の書籍見本市「フランクフルト・ブックフェア(Frankfurt book fair)」が、イスラエルを支持表明しました。しかし、この表明により、複数のイスラム教国の出版団体が参加を取りやめる事態となりました。この出来事により、世界の注目が集まっています。

イスラエルへの攻撃を非難

先月のイスラエルへの急襲事件を受けて、ブックフェアの主催者は即座にこの攻撃を非難しました。そして、フェアの予定を変更し、イスラエルの本に焦点を当てることを表明しました。しかし、イスラム教徒が多数を占める国々の出版団体は、この決定に反発し、参加を相次いで取りやめました。

相互理解を築くための対話

インドネシア出版協会は、イスラエルに主張の場を与えるという決定が相互理解を築くための対話と努力を壊すものであると指摘しています。彼らは「イスラエルの肩を持ちつつ、パレスチナ人の苦難を無視することは、本を1冊だけ読んで世界の全てを分かった気になるようなものだ」と糾弾しています。インドネシアはイスラム教徒が多い国であり、イスラエルとの国交はありません。

イスラム教国の参加取りやめ

マレーシア教育省も、主催者の「親イスラエル的姿勢」を理由に参加を取りやめると発表しました。また、アラブ首長国連邦(UAE)の出版当局や出版協会も同様に参加を取りやめました。さらに、UAEに拠点を置く「ナショナル(National)」紙は、エジプトの出版協会も参加しないことを報じています。これらの団体の参加取りやめは、一部の団体が「地政学的な理由で」見送ったことになります。

ディレクターのコメント

ブックフェアのディレクター、ユルゲン・ボース氏は記者会見で、一部の団体が参加を見合わせたことについて「非常に残念だ」と述べました。「われわれ、そして私個人にとっても、完全なる不幸だ。皆ここに来て(率直に)対話し、物議を醸すとしても議論をしてほしい」と訴えました。

パレスチナ人作家の授賞延期

ドイツの出版協会リトプロムは、パレスチナ人女性作家アダニア・シブリ氏の小説「A Minor Detail(英題)」への文学賞授賞式を、ハマスが始めた戦争を理由に延期すると発表しました。この発表も物議を醸しています。リトプロムは、授賞式は後日行われるが、受賞自体は変わらないと説明しています。また、フランクフルト・ブックフェア自体は賞には関与していないとのことです。

この出来事については、ノーベル文学賞受賞者を含む600以上の個人や団体が署名した公開書簡も出されており、授賞式の延期がパレスチナ人の声を締め出すものであると非難されています。

以上が、ドイツのブックフェアでのイスラエル支持表明によって引き起こされた出来事の詳細です。

記事のソース:https://news.yahoo.co.jp/articles/fed31c2102db3cdef3a18668e9b4a07a16389a8c

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