海中で発見された車から見つかった小学生ら5人、水死の可能性か 付近の岸壁にタイヤ痕

岸壁への進入に注意を呼びかける看板
車での岸壁への進入に「注意」を呼びかける看板が設置された=2023年10月18日午後1時24分、三重県南伊勢町道方、佐藤孝之撮影

三重県南伊勢町で、海中に沈んでいた乗用車の中から小学生を含む5人の遺体が見つかりました。県警は司法解剖の結果、5人は水死の疑いがあると発表しました。また、乗用車の近くの岸壁にはタイヤの痕跡があり、この車が関与している可能性が浮上しました。県警は、家族が釣りに来て誤って転落した可能性もあると考え、事件と事故の両面から捜査を行っています。

亡くなったのは自営業男性と4人の子ども

亡くなったのは、伊勢市に住む自営業の男性(37歳)と7〜12歳の男女の子ども4人です。遺体は15日に発見されました。17日と18日に行われた司法解剖の結果、死亡時刻は11日の早朝頃であることが判明しました。5人は早朝に自宅を車で出発しており、同じ日に亡くなった可能性があります。

釣りに出かけた家族が行方不明になる

家族と連絡が取れなくなり、13日に行方不明届が提出されました。家族が釣りに出かけた可能性があることから、県警などが捜索範囲を狭めて捜査を行いました。そして、15日に海上からの捜索で、水面下に逆さまに沈んだ乗用車が発見されました。車内にはクーラーボックスや釣り竿なども見つかったそうです。

岸壁のタイヤ痕から乗用車の関与が浮上

捜査関係者によると、岸壁に残されたタイヤの痕跡から、沈んでいた車と関連性がある可能性が示唆されています。また、運転席の窓が開いており、車の前部やフロントガラスにも損傷が見られました。5人の遺体は後部座席で見つかったとのことです。

岸壁には車止めや柵がなかった

岸壁には車止めや柵がなかったため、車での進入が可能でした。特に満潮時には岸壁と海の境界が見えにくくなることがあり、運転していた男性が海面までの距離を誤って転落した可能性も考えられます。

この事故を受けて、岸壁で釣りをする際には注意が必要です。万が一、車が水没した場合には脱出ハンマーが必要となります。皆さんも安全第一で楽しい釣り生活を送ってください。

朝日新聞社

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