暴力に金の無心など自身に悪影響を及ぼす “毒きょうだい” 「縁を切りたくても切れない」当事者の不安と苦悩…助け合う義務どこまで?

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ここ数年、注目を集める「毒親」という言葉があります。これは、子どもに悪影響を及ぼす親のことを指しますが、親ではなく「毒きょうだい」に悩む人々も増えていると言われています。

「毒きょうだい」とは、兄弟姉妹の中で他の兄弟姉妹に様々な害を及ぼす存在を指します。彼らの存在は、被害者に深い心理的な不安や苦悩をもたらします。

兄から顔や体にアザができる日常的な暴力

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りささん(19)は、幼少期から1歳年上の兄から暴力を受け続けてきました。「馬乗りになって殴られたり、首を絞められたり」といった日常的な暴力行為を受けてきたのです。

当時のりささんにとって、これらの暴力行為は普通のことだと思われていました。しかし、SNSで友達に相談したところ、「やばい!」や「大丈夫?」と心配の声が上がりました。それがきっかけで、「これは普通じゃないのかもしれない」と思うようになったのです。

りささんは、高校卒業後すぐに一人暮らしを始めることで兄から逃れることができました。しかし、生計を立てるためにキャバクラで働いているため、経済的に苦しい状況にあります。「兄の暴力は幼少期から続いていたので、治ることはないと思います。力で勝てないので、仕方がありません」と彼女は語ります。

彼女は兄に対してどのように思っているのでしょうか?「一度は兄との縁を切ろうと思ったこともあります。殴られるのは嫌だし、嫌味もうんざりです。一生会いたくないと思っていましたが、今はなんとも思っていません。もし兄が変われば、一緒に仲良くなりたいと思います。それは、たぶん家族だからだと思います」と彼女は話します。

10歳上の兄から金の無心、絶縁も検討

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みほさん(37)は、医療現場で働く女性であり、10歳上の兄からの金の無心に悩まされてきました。「兄はギャンブルをし、飲酒をし、タバコを吸い、車も乗ります。何かあった時に、私たちの家庭に迷惑をかけるのが嫌で、兄との関係を断つことを考えていました」と彼女は語ります。

彼女は夜中に酔っぱらって兄からの電話でお金を請求されることがありました。「(兄の借金は)お前が払うんだよ!」とずっと言われ続けてきたのです。

絶縁を考えていたみほさんでしたが、9月に母が亡くなり、葬儀の場で数年ぶりに兄と再会しました。そこで彼女は驚きの事実を知ることになります。「兄は7年間、まったく仕事をしていませんでした。母が所有するアパートの家賃収入で生計を立てていたのです。本当に情けないことです」と彼女は語ります。

このような状況に直面した彼女は、絶縁を踏みとどまることにしました。しかし、彼女のような被害者はどこまで助け合いの義務を負うべきなのでしょうか?

「毒きょうだい」という存在は、被害者にとって大きな心の傷を与えます。自身の幸せを守るために、時には縁を切るという選択が必要な場合もあるでしょう。

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