年明けの大学入試共通テストなど一般選抜を前に今、入試真っ最中なのが「総合型選抜」と「学校推薦型選抜」。総合型選抜とはAO入試の発展型と言われ、学力、面接、小論文、プレゼン、ディスカッションなどで学生の能力や適性を総合的に評価する試験方法だ。
実は今、この総合型や学校推薦型の募集枠を導入、拡大する大学が増えており、2022年度では入学者の半数を超えたとの調査結果がある。ペーパー試験での学力重視から、個性やコミュニケーション能力重視に大きく変化しつつある。
その一方、「体験格差が浮き彫りになりそう。金持ち有利?」「学力勝負の人は不利になってしまう」「学力と違って合格基準が曖昧」などの懸念を示す声も。総合型や学校推薦型が増加する背景には何があるのか。大学入試でコミュ力は本当に重要なのか。日本ニュース24時間で議論した。
■「総合型・推薦に親の力は大きい」
推薦入試で早稲田大学政治経済学部と中国・清華大学に合格し、この春早大を卒業した実業家の孫辰洋氏。総合型のメリットについて次のように話す。
「大きく分けて3つ。1つ目は、多様な評価基軸。2つ目は、私自身もそうだが、海外大学との併願がとてもしやすい。3つ目が大学側のメリットだ。子どもが減っているので、学費を払う人を年内に決めたいんだと思う」
■貧困家庭の人は総合型に難しさを感じる?
一般入試で東京大学に入学した現役東大生・フリーライターの布施川天馬氏は「相対的に貧困家庭の人は難しい局面になっていると思う。総合型はどうしてもお金持ちのための入試に見える。志望理由書による書類審査と面接の審査が中心になるが、ネタ元になる体験がないと突破が難しいからだ。僕は週3でバイトをしながら東大に受かった人間なので、そういう活動をする時間がなかったし、総合型なら落ちていたと思う」と話す。
孫氏は「総合型・推薦に親の力は大きい」と認める一方で、「じゃあ一般入試は格差が発生しないのか。私は今、小学生向けの英語塾をやっているが、一般入試で東大に行かせようとすると、SAPIXに行って、日能研に行ってと、もうすごいじゃないか。総合型・推薦はそれよりちょっと強いぐらいだ」と指摘。
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